現象学・実存哲学の論点を比べる — Epoché
解説 見た範囲と、期待を分ける 教材の作例として、部屋に人がいないという記述を考える。入口から見えた範囲と、誰かがいるはずだという期待は違う。フッサールの経験の与えられ方と証拠の限界という観点から、その違いを整理できる。 一度見ただけで全てを見尽くしたとはしない。別の角度や証拠から訂正される余地がある。 出典2 誰として見るかにも、文脈がある 友人がいない、先生がいるという記述には、共有する関係や役割が既に関わる。ハイデガーの他者との存在という観点では、日常の目的や規範も、理解の前提となる。 他者を友人や先生という一つの役割に固定したり、その人の全てを理解したとしたりはしない。 出典1 他者の見方は、自分の見方と重ならない メルロ=ポンティの観点では、身体の位置や状況によって見える範囲は異なる。他者も同じ世界に生きるが、自分の経験で他者の経験を尽くすことはできない。 記述・推測・確認できないことを分けるのは教材上の整理であり、三人共通の手順書ではない。全てが気分次第という結論でもない。 出典3 観点と、その射程を分けて読む。 整理すること 部屋の作例 留保 見た範囲 入口から人は見えない 部屋全体の不在は未確認 文脈と期待 友人がいるはずだと思う 期待は見た事実と違う 他者の位置 別の位置なら違う範囲が見える その経験を自分だけで尽くせない 表は本文の区別をまとめたもので、因果の機構や全学説の一覧ではない。 参考文献 [1] Wrathall, Mark「Martin Heidegger」。 出典 [2] Zahavi, Dan「Edmund Husserl」。 出典 [3] Toadvine, Ted「Maurice Merleau-Ponty」。 出典