6.10 体調を伝える — どこが・いつから・どんなふうに — Epoché
この課で言えるようになること どこが痛むかを、体の部位の語を使わずに言える。 いつから続いているかを、現在完了で言える。 痛みが 無い ことも言える(診察では必ず訊かれる)。 旅先で、滞在が短いことを添えて頼める。 前提 : 6.9 まで。 場面と話し手 対話 A は診察室です。相手は医者で、こちらの体のことを訊いてきます。 対話 B は旅先の薬局です。相手は薬剤師で、こちらの滞在の長さによって勧めるものが変わります。どちらも学習者が客の役です。 この課でいちばん困るのは、 体の部位の語が足りない ことです。第 2 期の帯(順位 1,260 まで)には、頭・腹・喉・胸といった語のいくつかが入っていません。入っていない語は使えないので、別の手が要ります。答えは単純で、 指さしながら「ここ」と言う ことです。対話 A の二行めがその形で、部位の語を一つも使わずに、どこが痛むかを伝えています。 ただし、 指させないものが三つ あります。いつからか、どんなふうか、そして痛みが無いこと。この三つは言葉で言うしかありません。この課の残りは、その三つに使います。 対話 A 話者 英文 日本語訳 医者 Are you in pain? [1] 痛いところはありますか? 患者 I'm in pain here. [2] ここが痛い。 患者 I'm still in pain. [3] まだ痛いです。 医者 Take this three times a day. [4] これを1日に3回、飲んでください。 一行めで医者が訊き、二行めで患者が答えています。答えに部位の語はありません。 ここ、と言いながら指させば足ります 。日本語でも同じことをしているので、これは難しくありません。 三行めが、この課の中心です。 まだ痛い ——つまり、始まってから今まで続いている。ここを過去形で言うと「痛かった」になり、医者は もう治ったのだと受け取ります 。続いていることは現在完了か、この文のように 今の形に still を添えて 言います。どちらでも通じますが、 今の形で言うほうが短い ので、話すときはこちらを勧めます。 四行めは医者の指示です。これを一日に三回。指示は 命令の形 で来ます。角が立つのではなく、 指示だから命令の形 なのだと受け取ってください。 対話 B 話者 英文 日本語訳 客 I feel cold. [5] 寒気がする。 薬剤師 Are you cold? [6] 寒いの? 客 I'm only here for a few days. [7] ここには数日間しかいない。 薬剤師 Have a good rest! [8] ゆっくり休んでね。 一行めは症状の言い方です。寒気がする、という言い方は、 体の部位を言わずに体の状態を言う 形の代表です。二行めで薬剤師が確かめ、三行めで客が 滞在が短いこと を添えます。 三行めを添える理由は、頼みの中身を絞るためです( 3.13 型編 の丁寧さ)。数日しかいないと分かれば、薬剤師は長く飲むものではなく、すぐ効くものを勧められます。 相手が判断しやすい情報を先に渡す のが、この場面での丁寧さです。 言い回し 体調を言うときにそのまま使える言い方を六つ挙げます。行を押すと音が鳴ります。 塊のまま口に入れて ください。 英文 日本語訳 どんなときに I'm not in pain. [9] 痛みは感じません。 痛みが無いと言う。診察で必ず訊かれる There's no pain. [10] 痛みはありません。 同じ意味を There の形で言う How's your cold? [11] 風邪の具合はどうですか。 相手の具合を訊く。知っている相手に I felt cold. [12] 私は寒いと感じた。 過去形。そのとき寒かった、という報告 He feels cold. [13] 寒がってるよ。 第三者の具合を言う。付き添いのとき What a pain! [14] 納得いかないなあ。 つらさを短く言う。くだけた場面だけ 一つめと二つめは 同じ意味を二つの形 で言っています。自分を主語にする形と、 There で始める形。どちらでも通じますが、 診察では必ず訊かれる ので、どちらかを口に入れておいてください。痛みが無いことを言えないと、医者は探し続けることになります。 言い換えと丁寧さ 丁寧さを上げる型は、第 1 期の 6.1 話編 で決めた三つと同じです。命令の形を頼む形へ、 can を could ・ would へ、単純過去を現在完了へ。この課でとくに効くのは 三つめ です。 体調の話は、ほとんどが 今も続いていること です。ところが日本語では「痛かったんです」「熱が出ました」と、過去形で言うのがふつうです。そのまま英語にすると、 もう治った と受け取られます。 言いたいこと 日本語につられて出る形 英語で言う形 まだ痛みが続いています I had pain. I'm still in pain. [3] 痛みはありません I had no pain. I'm not in pain. [9] 左の二つは Epoché の作例です。どちらも過去形で、 今のことを言っていません 。右の二つは今の形で、今どうなのかを言っています。医者が知りたいのは今のことなので、右で答えてください。 一つめと二つめの型も、この場面で使えます。薬や検査を頼むときは、 Can I より Could I を選んでください( 3.11 型編 )。相手は職務として応じる立場ですが、 こちらの都合で時間をもらっている ことに変わりはありません。 この課で使う型 — 型編の復習 この課の八行は、第 3 編で立てた型だけでできています。 型の名 この課での出方 戻る課 文の骨と be 動詞 「ここが痛い」は be のうしろに状態の句を置くだけ 3.1 型編 疑問文 医者の問いはすべて be か助動詞で始まる 3.2 型編 命令文 指示は命令の形で来る。角が立つのではない 3.2 型編 過去と今の対比 「痛かった」と「まだ痛い」。この課の中心 3.9 型編 助動詞 II 頼むときの Could I 3.11 型編 新しい型は一つも要りません。第 2 期の型編で組んだものを、 場面に載せ替えただけ です。 動画で見る この課の内容に近い解説動画です。押すと再生されます(再生は YouTube に接続します)。「画面に固定して見る」を押すと、本文を読みながら見られます。 The Vocabulary Show: At the doctor's 👩⚕️🩺💉💊⚕️ Learn 26 English words and phrases in 10 minutes! 🏪 BBC Learning English (10:09, 2024) 全編。6.10 は言う側で使う(同じ回) 練習 対話 A と対話 B の 8 行を、行を押して音を聞いてから続けて 音読 する。3 周する。3 周目は 患者と客の台詞だけ を、音声に重ねて シャドーイング する。自分が言う側になる行だけを口に入れるのが目的。 次の五つを英語で言う。 言う前に、今のことか終わったことかを決める こと。①ここが痛い ②まだ痛いです ③痛みはありません ④ここには数日間しかいない ⑤寒気がする 自分がよくなる症状を三つ書き出し、 部位の語を使わずに 英語で言う言い方を考える。指させるものは指さす、指させないものは「いつから・どんなふうに」で言う。考えたら 10 回ずつ言う。 この課のまとめ ★ 物は指させるが、体は指させない。 どこが・いつから・どんなふうに——三つを言葉で言う。 部位の語が帯に無いときは、 指さしながら「ここ」と言えば足りる 。 指させないのは三つ——いつからか、どんなふうか、痛みが無いこと。 ★ 痛みは今も続いていること。 過去形で言うと「もう治った」と受け取られる。 痛みが 無い ことも言えるようにする。言えないと医者は探し続ける。 旅先では 滞在の長さを添える 。相手が判断しやすい情報を先に渡すのが、この場面での丁寧さ。 指示は 命令の形 で来る。角が立つのではなく、指示だから命令の形。 次の課へ 次の課は 6.11 、題は 住まいと町を説明する です。ここまでの二課は、どちらも 困りごと の場面でした。次の課は困っていません。自分の暮らしを相手に伝える場面です。困っていないぶん、こちらから話を出す必要があります。そのときに効くのが There is ・ There are の形です。場所の説明は、この形から始めると迷いません。 答え 患者と客の台詞は四行です。ここが痛い、まだ痛い、寒気がする、数日しかいない。 この四つで診察も薬局も足ります 。少ないからこそ、速く正確に出せるようにしてください。 ① I'm in pain here. [2] ② I'm still in pain. [3] ③ I'm not in pain. [9] ④ I'm only here for a few days. [7] ⑤ I feel cold. [5] 。②で過去形を使ってしまったら、そこがこの課の急所です。 今も続いているなら今の形 で言ってください。語が違っても、今のことを今の形で言えていれば正解にしてください。 部位の語を使わずに言えたなら、この課の核が入っています。実際の診察では、 指さすほうが速く正確 です。言葉で言うべきなのは、指させない三つだけ。そこに力を集めてください。 参考文献 Tatoeba 文 #2549572(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/2549572 Tatoeba 文 #2549319(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/2549319 Tatoeba 文 #10830068(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/10830068 Tatoeba 文 #8749044(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/8749044 Tatoeba 文 #21124(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/21124 Tatoeba 文 #2244935(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/2244935 Tatoeba 文 #8217316(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/8217316 Tatoeba 文 #5941364(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/5941364 Tatoeba 文 #2549507(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/2549507 Tatoeba 文 #13061381(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/13061381 Tatoeba 文 #319746(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/319746 Tatoeba 文 #256710(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/256710 Tatoeba 文 #10036518(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/10036518 Tatoeba 文 #282276(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/282276