14.1 七百年前の約束 — 番号の付いた条と、義務の shall — Epoché
この篇でできるようになること ★ 法の文の shall が義務だと分かる。 ★ 番号の付いた条 の読み方(1 条 1 規則)が身につく。 ★ 訳された文書 を読むときに気をつけることが分かる。 ★ 七百年前の条と、いまの憲法 のつながりが見える。 前提 : 特別編に門はありません。第 5 期まで済んでいれば、どこからでも読めます(目安は 3.40 まで/4.60 まで)。 読む前に ★ 特別編は 順番に読む必要がありません 。★ 1 篇が 1 作品 で、★ どの篇から始めてもかまいません。 ★ この篇は いちばん古い文書 なので、★ 第 I 部の先頭に置いてあります。 ★ マグナ・カルタは 千二百十五年 の文書 です。★ イングランドの王ジョンが、 領主たちに迫られて 認めた約束 で、★ 「王も法の下にある」 と書いた最初の文書の一つとされます。 ★ 読む前に、二つ確かめてください。 どちらのことか 確かめること ★ ことばのこと ★ 原文はラテン語。英語の語の半分は借り物( 12.1 知編 ) ★ 法のこと ★ なぜ法の文は硬いのか( 12.20 知編 ) ★ 12.1 知編 で、 英語はゲルマンの骨にラテン・フランスの肉が付いた言語 だと置きました。 ★ この篇は その肉のいちばん厚いところ です——★ 法の語がまとめて入ってきた時代の文書 だからです。 原文 原文は別の文書にあります(作品ページの「原文」)。本文は 1900 語、段落は 25 に分かれ、文は 72 本、一文の平均は 26.4 語です。 ★ いちばん長い一文は 193 語 ——★ 第一段落( 235 語)の中 にあります。★ これは 同意した人の名の一覧 で、★ 読み通す必要はありません 。★ どこまでが名前で、 どこから規則が始まるか を見てください。 全訳 原文の全訳です。この課程のために、原文に沿って訳しました。番号は原文の段落の番号で、原文と行き来できます。 神の恩寵によるイングランド王、アイルランドの君主、ノルマンディーおよびアキテーヌの公、アンジューの伯であるジョンより、大司教、司教、修道院長、伯爵、男爵、裁判官、森林官、州長官、代官、従者、ならびにすべての役人と忠実な臣下へ、挨拶を送る。知るがよい。我らは、神の意志により、また我らの魂と、我らのすべての先祖と相続人の魂の救いのために、神の栄誉と聖なる教会の高揚と我が王国のよりよきために、次の者たちの助言によって〔以下を定めた〕。すなわち、尊敬すべき父たち、カンタベリー大司教にして全イングランドの首座大司教、聖なるローマ教会の枢機卿であるスティーヴン、ダブリン大司教ヘンリー、司教たち、ロンドンのウィリアム、ウィンチェスターのピーター、バースおよびグラストンベリーのジョスリン、リンカーンのヒューゴ、ウスターのウォルター、コヴェントリーのウィリアム、ロチェスターのベネディクト、教皇聖下の副助祭にして家中の者である師パンダルフ、イングランドにおけるテンプル騎士団の長である修道士エメリック、そして貴人たち、ペンブルック伯ウィリアム・マーシャル、ソールズベリー伯ウィリアム、ウォレン伯ウィリアム、アランデル伯ウィリアム、スコットランドの軍務長官アラン・ド・ギャロウェイ、ジェロルドの子ウォリン、ハーバートの子ピーター、ポワティエの家令ヒューバート・ド・バーグ、ヒューゴ・ド・ネヴィル、ハーバートの子マシュー、トマス・バセット、アラン・バセット、フィリップ・ドービニー、ロバート・ド・ロペレイ、ジョン・マーシャル、ヒューゴの子ジョン、その他の我らの忠実な臣下たちの助言によって。 1. まず第一に、我らは神に対して認め、また我らと我らの相続人のために永久に、この我らの現在の特許状によって確認した。イングランドの教会は自由であり、その権利を損なわれずに持ち、その自由を侵されないものとする。そして我らは、これがそのように守られることを望む。それは次のことから明らかである。我らは、我らと我らの男爵たちのあいだに不和が起こる前に、自ら進んで、我ら自身の自由な意志により、選挙の自由を認め、我らの特許状によって確認し、また教皇インノケンティウス三世にもそれを確認させた。この選挙の自由は、イングランドの教会にとって最も重要で最も必要なものと考えられている。この特許状は、我ら自身が守り、また我らの相続人によって永久に誠実に守られることを我らは望む。我らはまた、我らの王国のすべての自由な人々に対し、我らと我らの相続人の側から永久に、以下に記すすべての自由を認めた。彼らと彼らの相続人が、我らと我らの相続人から、それを持ち、保つために。 2. 我らの伯爵や男爵、あるいは軍役によって我らから直接に〔土地を〕保有するその他の者のだれかが死に、その死の時に相続人が成年に達していて、相続上納金を負うときは、その者は古い相続上納金を支払うことで相続財産を得る。すなわち、伯爵の相続人は、伯爵の男爵領全体に対して百ポンドを支払うことで、男爵の相続人は、男爵領全体に対して百ポンドを支払うことで、騎士の相続人は、騎士の封土一つ全体に対して最大で百シリングを支払うことで〔相続財産を得る〕。そして、より少なく負う者は、封土の古い慣習に従って、より少なく納めるものとする。 3. しかし、上に挙げた者のだれかの相続人が未成年で後見のもとにあるときは、成年に達したとき、相続上納金も納付金もなしに相続財産を得るものとする。 4. 未成年であるそのような相続人の土地の管理者は、相続人の土地から、妥当な収益と、妥当な慣習上の賦課と役務のほかは取ってはならない。しかもそれは、人や財を損なったり荒らしたりせずに行うものとする。そして、もし我らがそのような土地の管理を、州長官、あるいはその収益について我らに責任を負うべきほかの者に委ねていて、その者が預かったものを損ない荒らしたならば、我らはその者に罰金を科し、その土地は、その封土の適法で思慮ある二人の者に引き渡される。その二人は、その収益について、我らに、あるいは我らが彼らを任せた者に対して責任を負う。そして、もし我らがそのような土地の管理をだれかに与えたり売ったりしていて、その者がそれを損ない荒らしたならば、その者はその管理の権を失い、それはその封土の適法で思慮ある二人の者に与えられる。その二人も同じく、すでに説明したとおり、我らに対して責任を負う。 5. さらに管理者は、その土地を管理しているあいだ、その土地の収益によって、それに属する家屋、猟園、養兎場、池、水車小屋その他のものを整えておかなければならない。そして相続人が成年に達したときは、耕作の時期が求め、土地の収益が妥当に許すところに従って、犂と耕作の備えを整えた土地全体を、相続人に返さなければならない。 6. 相続人は、身分の釣り合わない結婚を強いられることなく結婚できる。ただし、結婚が取り決められる前に、それは相続人本人の血縁の者に知らされなければならない。 7. 寡婦は、夫の死後ただちに、そして支障なく、自分の嫁資と相続財産を得るものとする。また寡婦は、自分の寡婦産、嫁資、あるいは自分に属し、夫が死んだその日に自分と夫とが保有していた相続財産のために、何も支払ってはならない。そして寡婦は、夫の死後四十日のあいだ夫の家にとどまることができる。そのあいだに、寡婦産が寡婦に引き渡されるものとする。 8. 夫なしに暮らすことを望む寡婦は、だれも結婚を強いられない。ただし、我らから〔土地を〕保有しているなら我らの同意なしに、ほかの者から保有しているならその主君の同意なしに、結婚しないという保証を差し出すものとする。 9. 我らも我らの役人も、債務者の動産が債務を支払うのに足りるあいだは、どんな債務のためにも収入を差し押さえない。また、主たる債務者が債務を支払うのに十分なものを持っているあいだは、その債務者の保証人が差し押さえを受けることはない。しかし、主たる債務者が支払う手立てを持たず債務の支払いができないときは、保証人がその債務の責めを負う。そして保証人は、望むなら、自分たちが債務者に代わって先に支払った債務の弁済を受けるまで、債務者の土地と収入を持つことができる。ただし、主たる債務者が、その点についてその保証人たちに対して〔すでに〕責めを果たしていることを示した場合は、このかぎりでない。 10. だれかがユダヤ人から大小を問わずある額を借り、その債務が支払われる前に死んだならば、その債務は、相続人がだれから〔土地を〕保有していようとも、相続人が未成年であるあいだは利子を生まないものとする。そして、もしその債務が我らの手に落ちたならば、我らは証書に記された元金のほかは何も取らない。 11. また、だれかがユダヤ人に債務を負ったまま死んだならば、その妻は寡婦産を得て、その債務のうち何も返さなくてよい。しかし、その死んだ者の子が残り、それが未成年であるならば、死者の保有地の性質に応じて子らに必要なものが与えられ、残りから債務が支払われる。ただし、主君たちに対して負う役務は差し引いておく。ユダヤ人以外の者に負う債務についても、同じように行う。12. 軍役代納金も援助金も、国の共同の評議によらなければ、我らの王国で課されてはならない。ただし、我らの身柄の身代金を払うため、我らの長男を騎士に叙するため、我らの長女を一度嫁がせるための場合は除く。そしてこれらの目的のためにも、妥当な援助金のみが与えられるものとする。ロンドン市の援助金についても、同じように行う。 13. そしてロンドン市は、陸においても水においても、そのすべての古い自由と自由な慣習を持つものとする。さらに我らは、ほかのすべての都市、自治都市、町、港が、そのすべての自由と自由な慣習を持つことを望み、認める。 14. そして、上に述べた場合以外に援助金を定めること、あるいは軍役代納金を定めることについて、王国の共同の評議を得るために、我らは、大司教、司教、修道院長、伯爵、大男爵を、我らの書状によって封印のもとに、定めた日、すなわち少なくとも四十日先の期日に、定めた場所へ召集させる。さらに我らは、我らの州長官と役人を通じて、我らから直接に〔土地を〕保有するすべての者を一般に召集させる。そして召集のすべての書状に、我らは召集の理由を記す。こうして召集がなされたときは、召集された者が全員来なかったとしても、定められた日に、出席した者の評議に従って、事を進めるものとする。 15. 我らは今後、だれにも、その自由な臣下から援助金を取ることを許さない。ただし、その者の身柄の身代金を払うため、その者の長男を騎士に叙するため、その者の長女を一度嫁がせるための場合は除く。そしてこれらの目的のためにも、妥当な援助金のみが与えられるものとする。 16. だれも、騎士の封土一つについて、あるいはほかの自由な保有地について、そこから負うべき以上の役務を強いられない。 17. 民事訴訟は、我らの宮廷に付き従うのではなく、ある定まった場所で開かれるものとする。 18. 新侵奪〔不動産占有回復〕訴訟、相続〔不動産占有回復〕訴訟、最終聖職推挙権訴訟の巡回裁判は、それぞれの州の中でのみ、次のやり方で開かれるものとする。すなわち、我ら、あるいは我らが王国を離れているときは我らの最高法官が、年に四回、各州に二人の裁判官を送る。その裁判官たちは、州が選んだ各州四人の騎士とともに、上に述べた巡回裁判を、その州で、州裁判所の開かれる日と場所において開くものとする。 19. そして、もし州裁判所の開かれる日に上に述べた巡回裁判を開くことができなければ、その日に州裁判所に出ていた者のうちから、十分な数の騎士と自由な保有者がとどまり、事の大小に応じて、彼らを通じて判決が適切に下されるようにする。 20. 自由な市民は、小さな罪についてはその罪の重さに見合う分だけ罰金を課される。そして大きな罪については、その罪の大きさに応じて罰金を課されるが、その生計の資は残しておく。商人も同じように、その商品は残しておく。そして隷農も同じように、我らの裁量のもとに置かれたときは、その耕作の備えを残して罰金を課される。そして、上に述べたいずれの罰金も、近隣の正直な者たちの宣誓によらなければ課されてはならない。 21. 伯爵と男爵は、同じ身分の者によってでなければ罰金を課されず、しかも罪の重さに応じてのみ課される。 22. 聖職者は、その俗人としての保有地について、上に述べたほかの者たちのやり方によるのでなければ罰金を課されない。そしてその聖職禄の額に応じて課されることはない。 23. 町も人も、川に橋を架けることを強いられない。ただし、昔から、そして正当に、それを行うべき者は除く。 24. 州長官、城代、検死官、その他の我らの役人は、だれも国王の訴訟を裁いてはならない。 25. すべての州、郡区、ワペンテイク、トライジングは、我らの直轄荘園を除いて、少しも増やすことなく、古い請負額のままとする。 語釈 帯の外の語は 150 語です。★ 四つの群れに分かれます ——★ 人と土地の名 (第一段落の一覧)、★ 身分の語 ( earl ・ baron ・ villein )、★ 土地と金の語 ( scutage ・ wainnage ・ chattels )、★ 法の語 ( assizes ・ disseisin ・ amerced )です。★ 覚える必要はありません。 ★ いまも使う語は oath ・ custody ・ lawful などで、あとは この時代の道具の名 です。 語(品詞) 意味 注 Alan en 名 アラン。人の名 Anjou en 名 アンジュー。フランス西部の地の名 Aquitaine en 名 アキテーヌ。フランス南西部の地の名 Arundel en 名 アランデル。イングランドの地の名 Aymeric en 名 エイメリック。人の名 Basset en 名 バセット。家の名 Benedict en 名 ベネディクト。人の名 Burgh en 名 バーグ。家の名 Canterbury en 名 カンタベリー。イングランドの教会の首座がいる町 Coventry en 名 コヴェントリー。イングランドの町の名 Dublin en 名 ダブリン。アイルランドの町の名 England en 名 イングランド Englis