6.27 동백꽃(椿の花) — Epoché
前提 ぜんてい : 6.26 まで。 この 篇 へん でできるようになること 語り手 かたりて の 判断 はんだん とチョムスンの 行動 こうどう を 分け わけ 、 好意 こうい を 読み取る よみとる 根拠 こんきょ を 書ける かける 。 方言 ほうげん の 部分 ぶぶん を 標準 ひょうじゅん 語 ご に 戻し もどし 、 会話 かいわ の 意味 いみ を 取れる とれる 。 二 ふた つの 家 いえ の 立場 たちば の 差 さ と、 題 だい の 花 はな の 手がかり てがかり を 説明 せつめい できる。 この 文章 ぶんしょう について 金 きん 裕 ひろし 貞 てい の 小説 しょうせつ です。 語り手 かたりて の「 私 わたくし 」は、チョムスンが 自分 じぶん に 意地 いじ 悪 あく をすると 考え かんがえ ています。 一方 いっぽう 、 読者 どくしゃ には、 彼女 かのじょ が 近づこう ちかづこう とする 気持ち きもち が 行動 こうどう から 見え みえ てきます。「 私 わたくし 」が 言い切っ いいきっ ていることと、 目 め の 前 まえ で 起き おき ていることを 分け わけ て 読み よみ ましょう。 二人 ふたり の 家 いえ は 対等 たいとう ではありません。チョムスンの 家 いえ は 地主 じぬし に 代わっ かわっ て 土地 とち を 差配 さはい する 마름 の 家 いえ 。「 私 わたくし 」の 家 いえ はそこから 小作 おざく 地 ち を 借り かり 、 家 いえ の 敷地 しきち や 食べ物 たべもの の 面 めん でも 頼っ たよっ ています。 言い返す いいかえす ことへのためらいには、 暮らし くらし を 失う うしなう 心配 しんぱい があります。 語り手 かたりて の 強い つよい 確信 かくしん は、その 人物 じんぶつ の 判断 はんだん です。ジャガイモを 差し出す さしだす こと、 拒ま こばま れて 顔 かお を 赤く あかく すること、 涙 なみだ を 浮かべる うかべる ことを 先 さき に 並べ ならべ 、そこから 読者 どくしゃ として 気持ち きもち を 考え かんがえ ましょう。 会話 かいわ には 差別 さべつ 的 てき ・ 侮辱 ぶじょく 的 てき な 悪口 わるぐち が 出 で てきます。 二人 ふたり の 激しい はげしい 口 くち げんかを 描く えがく 語 ご で、 相手 あいて を 傷つける きずつける 表現 ひょうげん です。 登場 とうじょう 人物 じんぶつ の 言葉 ことば として、その 場面 ばめん での 働き はたらき を 読み取っ よみとっ てください。 語釈 ごしゃく — 村 むら の 言葉 ことば を 読む よむ 本文 ほんぶん の 語 ご 読み取る よみとる 意味 いみ 마름 ・ 집터 ・ 양식 小作 こさく 管理 かんり 人 にん ・ 家 いえ の 敷地 しきち ・ 食糧 しょくりょう 。 家 いえ どうしの 関係 かんけい を 示す しめす 。 느 ・ 떼루 ・ 이담부텀 底本 ていほん の 字 じ ( 方言 ほうげん )。おまえたちの・ 大勢 おおぜい で・この 次 つぎ から。 마서유 底本 ていほん の 字 じ ( 方言 ほうげん )。 語尾 ごび の- 유 は- 요 にあたる。 相手 あいて にやめるよう 丁寧 ていねい に 言う ゆう 。 면두 ・ 호드기 ・ 산알 ここでは 鶏 にわとり のとさか・ 草笛 くさぶえ ・ 山 やま の 下 した 。 산알 は 底本 ていほん の 字 じ 。ふつうは 산 아래 。 느 はこの 会話 かいわ で「おまえたちの」という 家 いえ を 指す さす 語 ご です。 마서유 も 一 いち 語 ご ずつ 別 べつ の 意味 いみ を 探す さがす より、 丁寧 ていねい な 禁止 きんし の 言い いい 方 かた に 戻す もどす と 分かり わかり ます。 村 むら の 大人 おとな への 丁寧 ていねい さと、「 私 わたくし 」への 親しい したしい 口調 くちょう を 区別 くべつ します。 文法 ぶんぽう メモ — 誰 だれ の 言葉 ことば か 冒頭 ぼうとう の 쫓기었다 は、 追う おう 側 がわ ではなく 追わ おわ れる 側 がわ を 主語 しゅご にした 受動 じゅどう の 過去 かこ です。 縮め ちぢめ た 形 かたち との 対応 たいおう は 型 かた 編 へん 19 課 か の 受動 じゅどう と 合わせ あわせ て 読み よみ ます。 먹어 버리란다 は、 人 ひと の 命令 めいれい を 伝える つたえる 引用 いんよう です。 物語 ものがたり の 語り手 かたりて が、チョムスンの 言っ いっ たことを 伝え つたえ ています。 型 かた 編 へん 18 課 か の 命令 めいれい の 引用 いんよう と、 聞き手 ききて に 説明 せつめい する 終わり おわり 方 かた を 文脈 ぶんみゃく から 区別 くべつ します。 語り かたり の 書き言葉 かきことば の 形 かたち は、 今 いま の 言い いい 方 かた に 次 つぎ のように 対応 たいおう します。- ㄹ 양으로 は「〜しようと」で、 今 いま の- 려고 ( 나무를 하러 갈 양으로 = 薪 たきぎ を 取り とり に 行こう いこう と)。- 음에 틀림없다 は「〜にちがいない」で、 今 いま の- ㄴ 것이 틀림없다 。- ㄹ지언정 は「〜することはあっても」で、 今 いま の- 더라도 に 近い ちかい 形 かたち 。- 었더라면 좋았을 걸 は「〜すればよかった」という 後悔 こうかい です。どれも 読ん よん で 意味 いみ を 取る とる 形 かたち で、 自分 じぶん で 書く かく ときは 既習 きしゅう の 形 かたち を 使い つかい ます。 対訳 たいやく 今日 きょう もまた、うちの 雄鶏 おんどり がひどく 追い回さ おいまわさ れた。 私 わたくし が 昼飯 ひるめし を 食べ たべ て、 薪 たきぎ を 取り とり に 行こう いこう と 出 で てきたときだった。 山 やま へ 登り のぼり かけると、 背後 はいご でばたばたっと、 鶏 にわとり の 羽ばたく はばたく 音 おと が 大騒ぎ おおさわぎ だ。びっくりして 振り向い ふりむい てみると 案の定 あんのじょう 、 二 ふた 羽 わ がまた 取っ組み とっくみ 合っ あっ ている。 チョムスンの 家 いえ の 雄鶏 おんどり (は 頭 あたま が 大きく おおきく 、まるでアナグマのようにがっしりした 奴 やつ だ)が、 体 からだ の 小さい ちいさい うちの 雄鶏 おんどり を 好き すき 放題 ほうだい にやっつけているのだ。それもただやっつけるのではなく、ばたっとトサカをつついて 退い しりぞい ては、 少し すこし 間 あいだ をおいて、ばたっと 首 くび をつつく。こうして 格好 かっこう をつけながら、 容赦 ようしゃ なく 痛めつける いためつける 。するとこのみっともない 奴 やつ は、つつかれるたびにくちばしで 地面 じめん を 突き つき ながら、その 悲鳴 ひめい がくっ、くっ、というだけだ。もちろん、まだ 治り なおり きってもいないトサカをまたつつかれて、 赤い あかい 鮮血 せんけつ がぽたぽたと 落ちる おちる 。 これをじっと 見下ろし みおろし ていると、 自分 じぶん の 頭 あたま が 割れ われ て 血 ち が 流れる ながれる みたいに、 両目 りょうめ から 火花 ひばな が 散る ちる 。いきなり 背負子 しょいこ の 杖 つえ を 担い かつい で 飛びかかり とびかかり 、チョムスンの 家 いえ の 鶏 にわとり を ぶん殴っ ぶんなぐっ てやろうかと 思っ おもっ たが、 考え直し かんがえなおし て、 空振り からぶり で 引き離し ひきはなし ただけにした。 今度 こんど もチョムスンがけんかをけしかけたのだろう。じりじりと 私 わたくし をいらだたせようとしてやったにちがいない。あの 小娘 こむすめ は、 近ごろ ちかごろ になってどうしてああも、 私 わたくし を 食っ くっ てかからんばかりにうなるのか 分から わから ない。 四 よん 日 か 前 まえ のジャガイモの 件 けん にしたって、 私 わたくし はあいつに 少し すこし も 悪い わるい ことはしていない。 女の子 おんなのこ が 山菜 さんさい を 摘み つみ に 行く いく ならさっさと 行け いけ ばいいのに、 人 ひと が 垣根 かきね を 編ん あん でいるところに 邪魔 じゃま しに 来る くる のはいったい 何 なん だ。それも 足音 あしおと を 殺し ころし て、 背中 せなか にそっと 寄っ よっ てきて、 「ねえ!あんた 一人 ひとり だけで 働い はたらい てるの?」 と、いらぬちょっかいを 出す だす のだ。 昨日 きのう までは、あいつと 私 わたくし は 話 はなし もろくにせず、 会っ あっ ても 見 み て 見 み ぬふりをして、こうしておとなしく 過ごし すごし てきた 間柄 あいだがら だったのに、 今日 きょう になって 急 きゅう に 殊勝 しゅしょう な 口 くち をきくのはどうしたことか。まして 子馬 こうま ほどの 大きな おおきな 娘 むすめ が、 人 ひと が 働い はたらい ているのを 見 み て……。 「そりゃ 一人 ひとり でやるさ。 大勢 おおぜい でやるかよ。」 私 わたくし がこう 吐き捨てる はきすてる ように 言う ゆう と、 「あんた、 働く はたらく の 好き すき ?」 あるいは、 「 真夏 まなつ にでもなってからやればいいのに、もう 垣根 かきね を 作る つくる の?」 と、あれこれ 小言 こごと を 並べ ならべ たかと 思う おもう と、 人 ひと に 聞か きか れやしないかと 手 て で 口 くち をふさいで、その 中 なか でけらけら 笑う わらう 。べつに 可笑しく おかしく もないのに、 陽気 ようき がゆるんだと 思っ おもっ たら、この 小娘 こむすめ は 頭 あたま がどうかしたのかと 疑っ うたがっ た。おまけに 少し すこし すると、 自分 じぶん の 家 いえ のほうをちらちら 振り返り ふりかえり 、 前掛け まえかけ の 中 なか に 入れ いれ ていた 右手 みぎて を 抜い ぬい て、 私 わたくし のあごの 下 した にぬっと 突き出す つきだす のだ。いつ 焼い やい たのか、 湯気 ゆげ がむっと 立つ たつ 大きな おおきな ジャガイモが 三 みっ つ、 手 て にずっしり 握ら にぎら れていた。 「あんたの 家 いえ にはこれ、ないでしょ?」 と 恩着せ おんきせ がましく 大きな おおきな 口 くち をきいて、 自分 じぶん がくれたのを 人 ひと に 知ら しら れたら 大変 たいへん だから、ここで 早く はやく 食べ たべ てしまえと 言う ゆう 。それからまた 言う いう ことには、 「 春 はる のジャガイモっておいしいんだって。」 「おれ、ジャガイモなんか 食わ くわ ない。おまえが 食え くえ 。」 私 わたくし は 振り向き ふりむき もせず、 働い はたらい ていた 手 て でそのジャガイモを 肩越し かたごし にぐいと 押し返し おしかえし た。すると、それでも 立ち去る たちさる 様子 ようす はなく、それどころかはあはあと、ただならず 息づかい いきづかい がだんだん 荒く あらく なる。 今度 こんど は 何 なん だと 思っ おもっ て、そのときになって 初めて はじめて 振り返っ ふりかえっ てみて、 私 わたくし は 本当 ほんとう に 驚い おどろい た。 私 わたくし たちがこの 村 むら に 来 き てそろそろ 三 さん 年 ねん になるが、 今 いま まで 浅黒い あさぐろい チョムスンの 顔 かお が、こんなに 赤カブ あかかぶ のように 真っ赤 まっか になったことはなかった。おまけに 目 め に 毒気 どくけ をためて、しばらく 私 わたくし をこうにらみつけていたかと 思う おもう と、しまいには 涙 なみだ まで 浮かべる うかべる ではないか。そして 籠 かご をまた 拾い上げる ひろいあげる と、 歯 は をぐっと 食いしばっ くいしばっ て、つんのめりそうに、 ひっくり返り ひっくりかえり そうに、 田 た の あぜ道 あぜみち をさっと 逃げ にげ ていくのだ。 たまに 村 むら の 大人 おとな が、 「おまえ、 早く はやく 嫁 よめ に 行か いか なきゃな?」 と 笑う わらう と、 「 心配 しんぱい しないでくださいよ。 行く いく 時 とき が 来れ くれ ば、ちゃんと 行き いき ますって!」 と、こうしれっと 受け流す うけながす チョムスンだった。もともと 恥ずかし はずかし がるような 娘 むすめ でもないし、 悔しい くやしい からといって 目 め に 涙 なみだ を 見せる みせる ような 間抜け まぬけ でもない。 悔しけれ くやしけれ ば、いっそ 私 わたくし の 背中 せなか を 籠 かご で 一 いち 発 はつ 思いきり おもいきり ぶっ叩い ぶったたい て 逃げ にげ ていくほうだ。 ところが、あのひどい 様子 ようす で 行っ いっ てしまってからは、 私 わたくし を 見る みる と 取っ とっ て 食わ くわ んばかりに いきり立つ いきりたつ のだ。 たとえ、くれるジャガイモを 受け取ら うけとら なかったのが 失礼 しつれい だとしても、くれるならただくれればいいのに、「あんたの 家 いえ にはこれ、ないでしょ」とは 何 なん だ。そうでなくても、あっちは 小作 こさく 管理 かんり 人 にん で、うちはその 手 て から 小作 おざく 地 ち を 借り かり て 耕し たがやし ているから、いつもぺこぺこしている。うちがこの 村