6.13 趣味とスポーツの話をする — 好みは対で交わす — Epoché
この課で言えるようになること 好きなことを二通りの形( to と -ing )で言える。 答えたあとに 相手にも訊ける 。 誘われたときに、断らずに 一段下げて受ける 言い方ができる。 その場で許可を求める形が出る。 前提 : 6.12 まで。 場面と話し手 対話 A は、好みを訊かれて答え、そこから自分のことを足す場面です。 対話 B は、運動に誘われる場面。どちらも相手は同じくらいの立場の人で、雑談の途中です。 好みの話が会話で果たす役目は、 相手を知ること ではありません。相手を知るだけなら、一往復で済みます。実際には何往復も続きます。続くこと自体が目的だからです。だから、 答えたら訊き返す のが作法になります。 日本語でも同じことをしていますが、日本語は 訊き返さなくても成立します 。相手が察して次を出してくれるからです。英語では察してもらえません。 出さなければ止まる ——この差が、日本語話者の英会話がしばしば続かない理由の一つです。 好きなことを言う二つの形 3.12 型編 で、 like は to の形も -ing の形も取れて、意味も変わらないと書きました。好みの話では、その結論がそのまま効きます。 言いたいこと to の形 -ing の形 読むのが好きだ I like to read. I like reading. 走るのが好きだ I like to run. I like running. 四つとも Epoché の作例です。 どちらを使ってもかまいません 。強いて言えば -ing のほうが「ふだんそうしている」感じ、 to のほうが「そうすることを選んでいる」感じですが、日常では区別しません。 迷ったら口に入っているほう を使ってください。 対話 A 話者 英文 日本語訳 相手 Do you like reading? [1] 読書は好きですか? 学習者 I like reading. [2] 私は読書が好きです。 学習者 I run every day. [3] 私は毎日走ります。 相手 May I run with you? [4] 一緒に走ってもいいですか。 一行めで相手が訊き、二行めで答えています。ここで止めると会話は終わります。三行めで学習者が 自分から別のことを足して いて、それを受けて四行めで相手が 誘って います。 三行めが、この課でいちばん大事な一行です。訊かれてもいないのに、走る習慣を出している。 訊かれたことに答えるだけでは、相手は次を出しにくい のです。一つ足すと、相手はそこに乗れます。足すものは何でもかまいません。自分のことなら、必ず相手が乗れる場所があります。 対話 B 話者 英文 日本語訳 相手 Would you like to play with us? [5] 私たちと一緒にやらない? 学習者 Can I watch your next game? [6] 私はあなたの次の試合を見る事が出来ますか。 相手 Do you like to read? [7] 読書は好きですか? 学習者 I like reading books. [8] 本を読むのが好きです。 一行めで誘われています。 Would you like to は、相手の望みとして差し出すいちばん柔らかい誘い方です( 3.10 型編 )。二行めで学習者が答えていますが、 断っても受けてもいません 。まず見せてほしい、と言っています。 この受け方は覚えておく価値があります。誘いを断るのは、どの言語でも気が重い。 一段下げて受ける ——やるのではなく見る、今日ではなく今度、全部ではなく少しだけ。こうすれば、断らずに自分の都合も守れます。 三行めで相手が話題を移しています。運動の話から読書の話へ。 雑談は話題が移って当たり前 で、一つの話題を続けなければならないということはありません。四行めで学習者が答え、また往復が始まります。 言い回し 好みと誘いの場面でそのまま使える言い方を六つ挙げます。行を押すと音が鳴ります。 塊のまま口に入れて ください。 英文 日本語訳 どんなときに Can I play some music? [9] 少し音楽をかけていいかい? その場で許可を求める。音楽をかけるとき What do you think of it? [10] それどう思う? 相手の感想を訊く。話を広げる定型 What do you think of him? [11] 彼をどう思いますか。 同じ形で人について訊く Don't you like playing with me? [12] 僕と遊ぶの好きじゃないの? 否定で訊いて誘いにする( 3.10 型編 ) They didn't feel like playing any more. [13] 彼らはそれ以上遊ぶ気がしなかった。 その気にならなかった、と言う Children like playing more than studying. [14] 子供達は勉強することよりも遊ぶことの方が好きである。 一般論を比べる形で言う 二つめと三つめは 同じ形で中身を替えた ものです。それをどう思うか、あの人をどう思うか。この形は、 相手に訊き返すときの万能の一文 です。何か言われて、返す言葉が思いつかないときに出せば、相手がしゃべってくれます。会話が止まりそうなときのために、 この一文だけは口に入れておいて ください。 言い換えと丁寧さ 丁寧さを上げる型は、第 1 期の 6.1 話編 で決めた三つと同じです。命令の形を頼む形へ、 can を could ・ would へ、単純過去を現在完了へ。この課では 誘う側 で三つの段が全部出ます。 誘い方 どんな相手に 受けた側の負担 Play with us. 親しい友人。命令の形でも角が立たない 断りにくい Can you play? 同じ立場の人。ふつうの誘い 断れる Would you like to play with us? [5] 初対面・目上。相手の望みとして差し出す いちばん断りやすい 上の二つは Epoché の作例です。下へ行くほど 相手が断りやすく なります。誘いは、断られる余地を残すほど丁寧になる—— 3.13 型編 で置いた考え方と同じです。 そして、受ける側にも段があります。この課の対話 B の二行めが いちばん使える受け方 です。断らず、受けきらず、 一段下げて乗る 。英語でこれができると、誘いのある場面がずいぶん楽になります。 この課で使う型 — 型編の復習 この課の八行は、第 3 編で立てた型だけでできています。 型の名 この課での出方 戻る課 疑問文 好みを訊く三つの形。すべて助動詞で始まる 3.2 型編 助動詞 I May I ・ Can I ・ Would you like to 3.10 型編 不定詞と動名詞 like のあとは両方取れて意味も変わらない 3.12 型編 比較 遊ぶことのほうが好きだ、という一般論 3.15 型編 新しい型は一つも要りません。第 2 期の型編で組んだものを、 場面に載せ替えただけ です。 動画で見る この課の内容に近い解説動画です。押すと再生されます(再生は YouTube に接続します)。「画面に固定して見る」を押すと、本文を読みながら見られます。 Talking about exercise: 💪⚽️🏊♂️ Real Easy English BBC Learning English (5:21, 2025) 体を動かすことを語る Talking about creativity 🧑🎨🪡📷 Real Easy English BBC Learning English (4:49, 2026) 作ることを語る 練習 対話 A と対話 B の 8 行を、行を押して音を聞いてから続けて 音読 する。3 周する。3 周目は 学習者の台詞だけ を、音声に重ねて シャドーイング する。 自分の好きなことを三つ選び、 それぞれ二通りの形 ( to と -ing )で言う。六文を続けて言ったあと、 どちらが口に入っているか を決める。入っているほうだけを使えばよい。 対話 A を、 答えたあとに一つ足す 形で自分用に作り直す。足したあとに、相手に訊き返す一文も付ける。 答える・足す・訊き返す の三つが一つの番になっている形を、10 回言う。 この課のまとめ ★ 好みは対で交わす。言ったら訊く。 好みの話は往復そのものが目的で、片道で止めると会話が終わる。 日本語は訊き返さなくても成立するが、英語は 出さなければ止まる 。 訊かれたことに答えるだけでは、相手は次を出しにくい。 一つ足すと相手はそこに乗れる。 like のあとは to でも -ing でもよく、意味も変わらない。 口に入っているほう を使う。 誘いは 断られる余地を残すほど丁寧 になる。 受ける側は 一段下げて乗る 。やるのではなく見る、今日ではなく今度、全部ではなく少しだけ。 返す言葉が思いつかないときは 「どう思う?」 。この一文だけは口に入れておく。 雑談は 話題が移って当たり前 。一つの話題を続けなくてよい。 次の課へ 次の課は 6.14 、題は 天気と季節の話をする です。好みの話は相手のことを訊きますが、天気の話は 誰のことでもありません 。だからこそ、初対面でも安全に始められます。そして天気の文には、英語の面白い仕掛けが一つあります。主語の it が 何も指していない のです。 3.12 型編 の形式主語と同じ仕掛けが、毎日の会話でいちばんよく出る場所がここです。 答え 学習者の台詞は四行です。好きだと言い、自分の習慣を足し、見せてほしいと言い、また好きだと言う。 答える・足す・受け方を選ぶ ——好みの会話で要るのはこの三つです。 六文を言ってみて、どちらが口に入っているかを決められたなら十分です。 両方を使い分ける必要はありません 。使い分けが要るのは stop のような意味が変わる動詞だけで( 3.12 型編 )、 like はどちらでもよい。 三つが一つの番になっていれば、会話が続く形になっています。続かない人の多くは、 答えるところで番を終えて います。一番のうちに三つ入れる——これを 10 回言って体に入れてください。 参考文献 Tatoeba 文 #10072492(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/10072492 Tatoeba 文 #1276130(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/1276130 Tatoeba 文 #261849(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/261849 Tatoeba 文 #27683(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/27683 Tatoeba 文 #682289(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/682289 Tatoeba 文 #252845(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/252845 Tatoeba 文 #9181729(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/9181729 Tatoeba 文 #261749(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/261749 Tatoeba 文 #267741(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/267741 Tatoeba 文 #464554(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/464554 Tatoeba 文 #465958(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/465958 Tatoeba 文 #9966224(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/9966224 Tatoeba 文 #305887(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/305887 Tatoeba 文 #246083(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/246083