0.1 音節のかたち — 拼音を読めるようにする — Epoché
この課でできるようになること 拼音を、声母・韻母・声調に分けて見られます。 ローマ字読みと違う所を見つけ、読むときの注意を言えます。 聞いた短い音を、声調記号付きの拼音で書き取れます。 音から学ぶ理由を、日本語の漢字の読みとの違いで説明できます。 前提 :なし。ここが最初の課です。日本語の漢字の知識は使いますが、中国語の発音や文の型を知っている必要はありません。まず、字の意味が推測できることと、中国語として読めることを分けて考えます。 漢字が分かっても音は別 中国語の字には、日本語の漢字と同じ形のものや、形が少し違っても見当を付けられるものがあります。しかし、日本語の音読みをそのまま使えるわけではありません。見慣れた字ほど、音を聞かずに読み進めてしまわないようにしましょう。 語 拼音 意味 日本語と分ける点 学生 xuésheng 学生 「がくせい」と読まない 时间 shíjiān 時間 「じかん」と読まない この二語は、字から意味を推測できても、中国語の音は聞いて確かめる必要があります。意味が分かった時点で終わらず、読み上げを聞いて、字と音を結び付けてください。音読みが浮かんだら、中国語の手本をもう一度聞きます。 覚える語はこれから増えますが、一つ一つがまったく新しい音でできているわけではありません。使われる音節(音のまとまり)の組み合わせには限りがあります。最初に音を一巡しておけば、新しい語でも知っている音を組み合わせて読めます。そのため、この課程では字の説明より先に音を学びます。 漢字が読めるので「もう知っている」と感じても、中国語の声調まで確かめましょう。 学生 を見たら、日本語の音読みだけで済ませず、拼音と読み上げの音を一緒に確認します。 音節を三つの部品に分ける 拼音は、中国語の発音をアルファベットと記号で書く方法です。一まとまりの音である音節を、初めの子音である声母、後ろの母音などのまとまりである韻母、声の高さの動きである声調に分けて見ます。 日本語のかなを一つのまとまりとして覚えるときと違い、ここでは初めと後ろを分けます。hǎo なら声母は h、韻母は ao です。母音の上にある記号は声調を示します。第三声の記号なら、低い所を通る音の動きを表します。 字 拼音 声母 韻母 声調 意味 好 hǎo h ao 第三声 よい 中 zhōng zh ong 第一声 なか・中央 谢 xiè x ie 第四声 礼を言う 我 wǒ なし uo 第三声 私 爱 ài なし ai 第四声 愛する zh は二文字で一つの声母です。字数を数えて、z と h を別の音にしないでください。また、声母がない音節もあります。「私」と「愛する」の例の音節は、韻母から始まります。声母の欄が「なし」でも、音節が欠けているわけではありません。 声母がないときの書き方 i・u・ü の組が、声母なしで一つの音節になる場合があります。そのときは y・w を使うつづりになります。これは音を別のものにする規則ではなく、書き方の約束です。次の対応を見て、元の韻母と書いた形を結び付けます。 元の形 書く形 字 拼音 意味 uo wo 我 wǒ 私 i yi 一 yī 一 ü yu 雨 yǔ 雨 u wu 五 wǔ 五 声調記号は母音の上に置きます。この課では表の形を見て書き、聞こえた高さの動きと対応させます。書き方に迷っても、漢字の日本語読みへ戻らず、まず声母・韻母・声調のどこが分からないかを確かめてください。 ローマ字読みと違う七か所 同じアルファベットでも、日本語のローマ字の読み方とは違います。ここでは違いのある場所を知り、後の課で一つずつ口の動きを練習します。カタカナの説明は近い感覚をつかむための目安で、音そのものの代わりではありません。 つづり 読むときの注意 例 拼音 意味 q クではない。舌先を下に置き、強い息を出す 七 qī 七 x クスではない。舌先を下に置き、息をこすらせる 谢 xiè 礼を言う zh ch sh r 舌先を少し後ろへ持ち上げるそり舌音 中 zhōng 中 c クではない。ツに近い構えで強い息を出す 菜 cài 料理 e エの口から舌を後ろへ。唇は丸めない 喝 hē 飲む i 前の声母により三種類の音を表す 四・是 sì・shì 四・である iu ui un 省略つづり。iou・uei・uenとの対応を確かめる 六 liù 六 i は、j・q・x などの後ろでは日本語の「イ」に近い音です。z・c・s の後ろでは舌を前に保ち、zh・ch・sh・r の後ろではそり舌の構えを保って読みます。省略つづりの un でも、j・q・x・y の後ろなら別の ü の組です。そのため、un の前の文字も見ます。詳しい練習は 音編 4課 から 音編 8課 で行います。 q をク、x をクスと読んでしまったら、文字の名前から発音を作らず、この表の説明と音に戻ります。今すぐ全部を暗唱するのでなく、迷った文字を見つけられるようにしましょう。 声調は語の音の一部 日本語にも、橋と箸のように高さで語を区別する言い方があります。中国語では、一音節の中の高さの動きが語を区別します。同じ ma でも、次のように字と意味が変わります。 声調 字 拼音 動き 意味 第一声 妈 mā 高いまま平ら 母 第二声 麻 má 中くらいから上がる 麻 第三声 马 mǎ 低く抑える 馬 第四声 骂 mà 高い所から下がる ののしる 語にはそれぞれ本来の声調が決まっています。ただし実際の発音は、前後の音によって変わることがあります。これが変調です。詳しくは 音編 9課 で学びます。今は本来の声調を字と一緒に覚え、手本の音に耳を向けます。 語表 語 拼音 品詞 意味 日本語との差 例文 訳 好 hǎo 形容詞 よい 好学生 よい学生 中 zhōng 名詞 なか・中央 中间 まんなか 谢 xiè 動詞 礼を言う 谢谢 ありがとう 我 wǒ 代詞 私 我爱我妈妈。 [1] 私はお母さんが大好きです。 爱 ài 動詞 愛する 爸爸,我爱你! [2] お父さん、大好き! 練習 書き取りは、問いの ▶「音声を聞く」で音を聞き、字を見ずに紙へ書きます。 nǐ・hǎo・xiè・shì・ài を、声母・韻母・声調に分けて書いてください。声母がない場合は「なし」とします。 書き取り:次の五つの単音節を順に聞き、声調記号付きの拼音で書いてください。 好 中 我 谢 七 書き取り:次の四つの ma を順に聞き、声調記号付きの拼音で書いてください。 马 妈 骂 麻 声母を書き入れてください:_ōng(中)、_iè(礼を言う)、_ī(七)。 声母なしの uo・i・ü・u を、通常のつづりへ書き換えてください。声調記号は不要です。 七 qī の q を「ク」、四 sì を「シ」、喝 hē の e を「エ」、菜 cài の c を「ク」と、日本語のローマ字のように読むとします。表の注意と食い違うものをすべて選び、直す点を一言ずつ書いてください。 この課程が字の説明より先に音を学ぶ理由を、日本語の漢字の読みとの違いを使って一、二文で説明してください。 音読: 妈/麻/马/骂 、次に 七/四/是 を聞いてまねます。声調の違いと文字の読み方を確かめます。 この課のまとめ 見慣れた漢字も、中国語の音を別に確かめます。 音節は声母・韻母・声調に分けて見ます。 拼音をローマ字読みせず、違いのある所を表で探します。 本来の声調と、つないだ発音の変化は区別します。 字が同じでも音読みでは読めないので、限られた音節を先に一巡してから語を覚えます。 次の課へ 次の0.2では四声を聞き分けます。まず耳で区別し、その後の課で自分の声の出し方を練習します。 答え n+i・第三声、h+ao・第三声、x+ie・第四声、sh+i・第四声、声母なし+ai・第四声。shの後ろの i は、そり舌の構えを保つ音です。 hǎo/zhōng/wǒ/xiè/qī。聞こえた声母と韻母を書き、高さの記号を付けます。 mǎ/mā/mà/má。ˇ・¯・`・´の順、第三声・第一声・第四声・第二声です。 zh・x・q。zhは二文字で一つの声母です。 wo・yi・yu・wu。uだけならwuにします。 四つとも食い違います。qは舌先を下に置く強い息の音、sì の i は s の後ろなので「イ」ではなく舌を前に保った音、eは唇を丸めず舌を後ろへ引く音、cはツに近い構えの強い息です。 例:中国語の字は日本語の漢字と同じ形でも、音読みのままでは読めません(学生は「がくせい」ではなく xuésheng)。一方、使われる音節の組み合わせには限りがあるので、先に音を一巡しておけば、新しい語も知っている音の組み合わせで読めます。 参考文献 Tatoeba 文 #13968375( 我爱我妈妈。 )。簡体字に改めた。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/13968375 Tatoeba 文 #2235467( 爸爸,我爱你! )。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/2235467 短い語と音の練習例は書き下ろしです。