6.11 住まいと町を説明する — 「ある」から始める — Epoché
この課で言えるようになること There is ・ There are で存在を先に言える。 住んでいる場所を、一文で言える。 町を歩きながら、目に入るものを指して説明できる。 相手が訊いてこない場面で、 自分から話を出せる 。 前提 : 6.10 まで。 場面と話し手 対話 A は、住んでいる場所を訊かれて答える場面です。相手は同じくらいの立場の人で、雑談の途中。 対話 B は、その相手と町を歩きながら案内する場面です。どちらも学習者が 説明する側 に回ります。 説明する側に回ると、困りごとの場面とは要るものが変わります。困りごとでは 一文 で足りました。説明では 続けて出す 必要があります。一文で止まると、相手が次を訊かなければならず、会話が相手まかせになってしまうからです。 続けて出すこつは、 形を一つに決めてしまう ことです。場所の説明なら There is ・ There are の形。この形で言えるものを順に挙げていけば、いくらでも続きます。文の作り方を毎回考えないで済むぶん、 中身を考える余裕が生まれます 。 日本語は場所が先、英語は存在が先 言いたいこと 日本語の順 英語の順 ここに子どもがいる ここに + 子どもが + いる There are + 子ども + here ここには子どもがいない ここには + 子どもが + いない There are no + 子ども + here ほかに道は無い ほかに + 道は + 無い There is no + 道 左の列と右の列で、 場所の語の位置が逆 になっています。日本語は場所を頭に置き、英語は最後に付けます。英語の頭に来るのは There で、この語は 何も指していません 。 3.12 型編 で見た形式主語の It と同じで、場所を取っているだけです。 だから、日本語の順で組み立てると必ず詰まります。「この町には」と言いかけたところで、英語ではまだ何も言えていないからです。 あるかないかを先に決めて、場所はあとで足す ——この順に切り替えてください。 対話 A 話者 英文 日本語訳 相手 Which house do you live in? [1] どの家にお住まいですか? 学習者 I live in the country. [2] 田舎に住んでいます。 相手 I want to live in the country. [3] 田舎に住みたいな。 学習者 There are children here. [4] ここに子供がいます。 一行めで相手が訊き、二行めで答えています。答えは一文だけで、 そこで止まっています 。三行めで相手が感想を言い、四行めで学習者がようやく 自分から足して います。 四行めの形が、この課で覚えてほしいものです。 There are で始めて、町の様子を一つ挙げている。この形はいくらでも続けられます。店がある、川がある、学校がある—— 挙げるものを替えるだけ で、文の作り方は変わりません。 対話 B 話者 英文 日本語訳 相手 What's over there? [5] 何がそこにありますか。 学習者 That's a school. [6] あれは学校。 相手 Where's your school? [7] あなたの学校はどこにありますか? 学習者 I walk to school. [8] 私は歩いて学校に通う。 歩きながらの会話です。一行めで相手が向こうにあるものを訊き、二行めで学習者が答えています。 指させる場面では、短い文で足ります 。あれは学校です、で十分です。 三行めと四行めで、話が学習者自身のことに移ります。学校はどこか、と訊かれて、 場所ではなく通い方を答えて います。これは会話としてまったく自然です。訊かれたことにだけ答えると会話は続かず、 少し足すと続きます 。足すものは、自分のことなら何でもかまいません。 言い回し 場所と人を説明するときにそのまま使える言い方を六つ挙げます。行を押すと音が鳴ります。 塊のまま口に入れて ください。 英文 日本語訳 どんなときに There are seven of us. [9] 我々は全部で、7人です。 人数を言う。家族の話で必ず出る There are just six people here. [10] ここには6人しかいません。 場所にいる人数を言う。 There の形 There are no children here. [11] ここに子供はいません。 同じ形の否定。いない、と言える There is a better way. [12] もっといい方法がある。 別の道があると言う。案内で使える There is no other way. [13] 他に方法はない。 同じ形の否定。ほかに道は無い Look over there. [14] あそこを見て。 指さして相手の目を向けさせる 六つのうち四つが There の形です。そして二つずつが ある側と無い側 の対になっています。説明では、無いことを言う場面が意外に多い。「この町には駅が無い」「ほかに道は無い」—— 無いことを言えないと、説明が途中で止まります 。 言い換えと丁寧さ 丁寧さを上げる型は、第 1 期の 6.1 話編 で決めた三つと同じです。命令の形を頼む形へ、 can を could ・ would へ、単純過去を現在完了へ。この課でとくに効くのは 一つめ です。 案内の場面では、相手を動かす文が増えます。こっちを見て、そこを曲がって、ついて来て——日本語では「〜してください」を付ければ済みますが、英語の命令の形は そのままだと強く響きます 。 命令の形 頼む形 もっと丁寧な形 Look over there. [14] Can you look? Could you look? Come with me. Would you come with me? [15] Could you come with me? [16] 一行めの真ん中と右、二行めの左は Epoché の作例です。案内では、 左端でかまわない場面が多い のが特徴です。相手を助けるために言っているので、命令の形でも押しつけになりません。「あそこを見て」と言われて不快に思う人はいません。 ただし、 相手に歩かせる ときは一段上げてください。見るのは一瞬ですが、歩くのは時間と労力を使わせます。二行めの右の二つがその形です。相手にどれだけ負担をかけるかで段を決める—— 3.13 型編 で置いた考え方が、ここでも使えます。 この課で使う型 — 型編の復習 この課の八行は、第 3 編で立てた型だけでできています。 型の名 この課での出方 戻る課 文の骨と be 動詞 「あれは学校です」は骨だけの文 3.1 型編 There の形 この課の中心。存在を先に置く 3.1 型編 疑問文 どの家に・どこに。疑問詞で始まる問い 3.2 型編 前置詞 田舎に・ここに・歩いて。場所と手段の句 3.5 型編 形式主語の考え方 There は何も指していない 3.12 型編 新しい型は一つも要りません。第 2 期の型編で組んだものを、 場面に載せ替えただけ です。 動画で見る この課の内容に近い解説動画です。押すと再生されます(再生は YouTube に接続します)。「画面に固定して見る」を押すと、本文を読みながら見られます。 Describing your home: Easy English Conversations Episode 20 BBC Learning English (6:24, 2026) 住まいを語る How to talk about your home town: Easy English Conversations 💬 Episode 3 BBC Learning English (5:06, 2025) 自分の町を語る 練習 対話 A と対話 B の 8 行を、行を押して音を聞いてから続けて 音読 する。3 周する。3 周目は 学習者の台詞だけ を、音声に重ねて シャドーイング する。 自分の町について、 There is ・ There are の形で 五文 作る。あるもの三つ、無いもの二つ。作ったら続けて言う。 途中で止まらずに五文言えるか を確かめること。 対話 A の四行めを 自分の町の話に書き替える 。書き替えたら、そこから三文続ける。相手が何も訊いてこないつもりで、自分から続けること。 説明する側に回る練習 は、これがいちばん効きます。 この課のまとめ ★ 場所の説明は「ある」から始める。 日本語は場所が先、英語は存在が先。 There は何も指していない。 日本語の順で組み立てると必ず詰まる。 あるかないかを先に決めて、場所はあとで足す 。 説明では 無いことを言う場面が多い 。無いことを言えないと説明が途中で止まる。 形を一つに決めてしまうと続けて出せる。 文の作り方を毎回考えないで済むぶん、中身に余裕が生まれる 。 訊かれたことにだけ答えると会話は続かない。 少し足すと続く 。 案内の命令の形は 押しつけにならない 。相手を助けるために言っているから。ただし歩かせるときは一段上げる。 次の課へ 次の課は 6.12 、題は 学校と勉強の話をする です。この課で 説明する側に回る 形を覚えました。次の課で説明するのは、場所ではなく 自分のしていること です。毎日の習慣を言うので、形は現在形が中心になります。そして、習慣を言う文には 時を表す句 が必ず付きます。何時に、毎日、放課後に——その置き場所が日本語と違うので、そこを片づけます。 答え 学習者の台詞は四行です。どこに住んでいるか、町に何があるか、あれは何か、どう通っているか。 四行とも、相手に訊かれる前に出せる内容 です。説明する側に回るとは、この四つを自分から出すということです。 五文を途中で止まらずに言えたなら、形が一つに決まっています。止まった場所があったら、そこで 日本語の順に戻っています 。「この町には」と言いかけていないか確かめてください。英語では There から始まります。 三文続けられたなら、この課の目的は果たされています。続かなかった場合、 挙げるものが思いつかない のか、 形が作れない のかを分けてください。前者なら日本語で先に三つ挙げてから英語にすればよく、後者なら There の形をもう一度口に入れてください。 参考文献 Tatoeba 文 #1039514(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/1039514 Tatoeba 文 #279086(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/279086 Tatoeba 文 #655683(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/655683 Tatoeba 文 #6270170(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/6270170 Tatoeba 文 #2796938(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/2796938 Tatoeba 文 #7274409(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/7274409 Tatoeba 文 #2883715(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/2883715 Tatoeba 文 #437011(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/437011 Tatoeba 文 #22844(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/22844 Tatoeba 文 #10633035(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/10633035 Tatoeba 文 #6335571(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/6335571 Tatoeba 文 #2260151(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/2260151 Tatoeba 文 #1815744(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/1815744 Tatoeba 文 #2249560(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/2249560 Tatoeba 文 #240189(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/240189 Tatoeba 文 #12332448(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/12332448