0.7 子音連続と声門閉鎖、数と時刻 — Epoché
この 課 か でできるようになること 子音 しいん が 三つ みっつ 四つ よっつ 連なる つらなる 語 ご ( Straße 、 Herbst 、 Pflanze )を、 間 ま に 母音 ぼいん を 挟ま はさま ずに 読める よめる 。 母音 ぼいん で 始まる はじまる 語 ご の 前 まえ で 息 いき を 一 いち 度 ど 止める とめる 「 声門閉鎖 せいもんへいさ 」を 出し だし 、 ein Ei を「アイナイ」ではなく 二 に 語 ご に 聞こえる きこえる ように 言える いえる 。 0 から 100 までの 数 かず と 時刻 じこく を 音 おと で 言え いえ 、 halb zehn が 9 時 じ 半 はん であることを 知っ しっ ている。 前提 ぜんてい : 0.6( 子音 しいん ③ 語末無声化 ごまつむせいか と z / s / ß / v / w ) 0.6 までで、 綴り つづり と 音 おと の 対応 たいおう は 全部 ぜんぶ 出 で ました。この 課 か は 音 おと そのものではなく、 音 おと の 連なり つらなり 方 かた を 扱い あつかい ます。 日本語話者 にほんごわしゃ の「 日本語 にほんご なまり」の 大半 たいはん は、 一 ひと つ 一 ひと つの 音 おと が 違う ちがう のではなく、 子音 しいん の 間 あいだ に 母音 ぼいん を 挟む はさむ ・ 語 ご と 語 ご をつなげてしまう、という 連なり つらなり 方 かた のずれから 来 き ています。 後半 こうはん では、この 連なり つらなり 方 かた がそのまま 試さ ためさ れる 数 かず と 時刻 じこく を 扱い あつかい ます。 なぜ 日本語話者 にほんごわしゃ はここでつまずくのか 日本語 にほんご は、ほぼすべての 音節 おんせつ が 母音 ぼいん で 終わり おわり ます。 子音 しいん だけで 終わる おわる 音 おと は「ン」と 促音 そくおん の「ッ」だけです。だから 日本語話者 にほんごわしゃ は、 子音 しいん が 連なる つらなる と 無 む 意識 いしき に 母音 ぼいん を 補い おぎない ます 。 Straße ( 通り とおり )を「シュトラーセ」と 四拍 よんはく で 読む よむ と、ドイツ 語 ご 話者 わしゃ には Stra- の 一 いち 音節 おんせつ が 三 さん 音節 おんせつ に 増え ふえ て 聞こえ きこえ ます。これはカタカナで 写し うつし た 瞬間 しゅんかん に 起きる おきる ことで、「バウムクーヘン」「シュトラーセ」というカタカナの 拍数 はくすう が、そのまま 日本語 にほんご なまりの 正体 しょうたい です。 もう 一 ひと つは、 逆向き ぎゃくむき のずれです。 日本語 にほんご は 語 ご と 語 ご の 間 あいだ を 区切ら くぎら ずに 流し ながし て 話し はなし ます。ドイツ 語 ご は 母音 ぼいん で 始まる はじまる 語 ご の 前 まえ で、 息 いき を 一瞬 いっしゅん 止め とめ て から 母音 ぼいん を 出し だし ます。これを 声門閉鎖 せいもんへいさ と 言い いい 、「ア」の 前 まえ に 小さな ちいさな 「ッ」を 置く おく ような 感覚 かんかく です。 ein Ei ( 一 いち 個 こ の 卵 たまご )は「アイン・アイ」と 二 に 回 かい 止まり とまり 、 ein Apfel ( 一 いち 個 こ のリンゴ)は「アイン・アプフェル」で n と A をつなげて「ナ」にしません。フランス 語 ご や 英語 えいご のリエゾンと 反対 はんたい の 習慣 しゅうかん で、 日本語話者 にほんごわしゃ は 語 ご をつなげて「アイナイ」「アイナプフェル」と 言っ いっ てしまいます。 子音連続 しいんれんぞく — 母音 ぼいん を 挟ま はさま ない やることは 一 ひと つです。 子音 しいん を 言い いい 終わる おわる 前 まえ に、 次 つぎ の 子音 しいん の 口 くち の 形 かたち を 作る つくる 。 Str- なら、「シュ」の 唇 くちびる のまま 舌先 したさき を t の 位置 いち に 置き おき 、 t を 破裂 はれつ させた 直後 ちょくご に 喉 のど の r に 移る うつる 。「ュ」も「ト」の「オ」も 入り はいり ません。 最初 さいしょ は 遅く おそく てよいので、 母音 ぼいん が 入っ はいっ ていないことを 耳 みみ で 確かめ たしかめ ながら 進め すすめ てください。 連なり つらなり 語 ご 挟み はさみ がちな 母音 ぼいん str- Straße [ˈʃtʁaːsə] ( 通り とおり ) 「シュ ト ラーセ」の「ト」の 母音 ぼいん spr- Sprache [ˈʃpʁaːxə] ( 言語 げんご ) 「シュ プ ラーヘ」の「プ」の 母音 ぼいん pfl- Pflanze [ˈpflantsə] ( 植物 しょくぶつ ) 「 プ フランツェ」の「プ」 pf- Pferd [pfeːɐ̯t] ( 馬 うま ) 「 プ フェアト」の「プ」 kn- Knie [kniː] ( 膝 ひざ ) 「 ク ニー」の「ク」 -rbst Herbst [hɛʁpst] ( 秋 あき ) 「ヘル プ ス ト 」 -ngst Angst [aŋst] ( 不安 ふあん 、 恐れ おそれ ) 「アン グ ス ト 」 -rzt Arzt [aːɐ̯tst] ( 医者 いしゃ ) 「アル ツ ト」 -bst selbst [zɛlpst] ( 自分 じぶん で) 「ゼル プ ス ト 」 -nkt Punkt [pʊŋkt] ( 点 てん 、 時刻 じこく の「ちょうど」) 「プン ク ト」 pf は p と f を 一 ひと つの 音 おと のように 続け つづけ て 出す だす 、ドイツ 語 ご に 特徴 とくちょう 的 てき な 音 おと です。 唇 くちびる を 閉じ とじ て p を 作り つくり 、 破裂 はれつ させると 同時 どうじ に 上 うえ の 歯 は を 下唇 したくちびる に 当て あて て f に 移り うつり ます。 Apfel (リンゴ)、 Pferd ( 馬 うま )、 Kopf ( 頭 あたま )。「プフ」と 二拍 にはく にせず、 一拍 いっぱく で 出し だし ます。 語末 ごまつ の 連続 れんぞく ( Herbst 、 Arzt 、 selbst )は、0.6 の 語末無声化 ごまつむせいか がそのまま 効い きい ています。 b は p の 音 おと で、 z は「ツ」。 Arzt は「アーツト」で、 r は 母音 ぼいん 化 か し、 z と t の 間 あいだ に 母音 ぼいん はありません。 声門閉鎖 せいもんへいさ — 母音 ぼいん の 前 まえ で 息 いき を 止める とめる ドイツ 語 ご では、 母音 ぼいん で 始まる はじまる 語 ご (と、 語 ご の 中 なか の 母音 ぼいん で 始まる はじまる 部分 ぶぶん )の 前 まえ で、 喉 のど を 一瞬 いっしゅん 閉じ とじ てから 母音 ぼいん を 出し だし ます 。 日本語 にほんご の「ッ」を 喉 のど で 作る つくる 感覚 かんかく で、「あっ!」と 驚い おどろい たときの「あ」の 出だし でだし がそれです。この 小さな ちいさな 区切り くぎり があるので、ドイツ 語 ご は 語 ご の 境目 さかいめ が 耳 みみ で 分かり わかり ます。 語句 ごく 意味 いみ つなげてしまうと ein Ei [ʔaɪ̯n ʔaɪ̯] 一 いち 個 こ の 卵 たまご 「アイナイ」 ein Apfel [ʔaɪ̯n ˈʔapfl̩] 一 いち 個 こ のリンゴ 「アイナプフェル」 am Abend [ʔam ˈʔaːbn̩t] 晩 ばん に 「アマーベント」 erinnern [ʔɛɐ̯ˈʔɪnɐn] 思い出す おもいだす 「エリンナーン」 Verein [fɛɐ̯ˈʔaɪ̯n] 協会 きょうかい 、クラブ 「フェライン」 beenden [bəˈʔɛndn̩] 終える おえる 「ベーンデン」 下 した の 三つ みっつ は 一 いち 語 ご の 中 なか で 起きる おきる 例 れい です。 er- 、 ver- 、 be- という 前つづり まえつづり の 後ろ うしろ で 語幹 ごかん が 母音 ぼいん で 始まる はじまる と、そこに 区切り くぎり が 入り はいり ます。 Verein は「フェア・アイン」であって「フェライン」ではありません。 r と ei をつなげて「ライ」にしないこと。 音 おん 編 へん 1 課 か で 見 み た「 弱い よわい 前つづり まえつづり 」と 語幹 ごかん の 境目 さかいめ が、 音 おと でも 切れ きれ ている、ということです。 この 区切り くぎり は、 聞き取り ききとり でとくに 効き きき ます。 ein Eis (アイスクリーム)と ein Reis ( 米 べい )は、 語頭 ごとう に r があるかどうかの 差 さ ですが、 声門閉鎖 せいもんへいさ があるおかげで n と 母音 ぼいん がつながらず、 Eis の 始まり はじまり がはっきり 聞こえ きこえ ます。 日本語話者 にほんごわしゃ がこの 区切り くぎり を 聞き落とす ききおとす と、 語 ご の 境目 さかいめ がずれて 別 べつ の 語 ご に 聞こえ きこえ ます。 数 すう — 0 から 100 まで 数 すう は、この 課 か で 扱っ あつかっ た 連なり つらなり 方 かた がそのまま 出る でる 語 ご です。 zwei 「ツヴァイ」、 drei 「ドライ」、 zwölf 「ツヴェルフ」、 fünfzig 「フュンフツィヒ」—— 子音 しいん の 連続 れんぞく だらけです。 音 おと を 通し とおし ながら 覚え おぼえ ます。 数 すう 語 ご 0 null [nʊl] 1 eins [aɪ̯ns] 2 zwei [tsvaɪ̯] 3 drei [dʁaɪ̯] 4 vier [fiːɐ̯] 5 fünf [fʏnf] 6 sechs [zɛks] 7 sieben [ˈziːbn̩] 8 acht [axt] 9 neun [nɔʏ̯n] 10 zehn [tseːn] 11 elf [ɛlf] 12 zwölf [tsvœlf] 13 dreizehn [ˈdʁaɪ̯tseːn] 16 sechzehn [ˈzɛçtseːn] 17 siebzehn [ˈziːptseːn] 20 zwanzig [ˈtsvantsɪç] 21 einundzwanzig [ˈaɪ̯nʔʊnttsvantsɪç] 30 dreißig [ˈdʁaɪ̯sɪç] 100 hundert [ˈhʊndɐt] 覚える おぼえる べき 点 てん は 三つ みっつ です。① 21 以上 いじょう は 一 いち の 位 くらい を 先 さき に 言う いう 。 einundzwanzig は「 一 いち と 二十 にじゅう 」で 21。 日本語 にほんご と 逆 ぎゃく で、 聞き取り ききとり のときに 数字 すうじ が 確定 かくてい するのが 遅れ おくれ ます。② sechs (6)は「ゼクス」だが、 sechzehn (16)と sechzig (60)では s が 落ち おち て「ゼヒ」になる。 sieben (7)も siebzehn (17)・ siebzig (70)で -en が 落ちる おちる 。③ -zig 、 -ßig の 語末 ごまつ は 0.5 の -ig と 同じく おなじく 「イヒ」。 zwanzig 「ツヴァンツィヒ」。 einundzwanzig の 真ん中 まんなか には 声門閉鎖 せいもんへいさ があります。 ein と und の 間 あいだ で 息 いき が 止まり とまり 、「アインウント」であって「アイヌント」ではない。 一 いち 語 ご に 書か かか れていても、 母音 ぼいん で 始まる はじまる 部分 ぶぶん の 前 まえ では 区切り くぎり が 入る はいる 、という 上 うえ の 規則 きそく がここでも 効き きき ます。 時刻 じこく — halb zehn は 9 時 じ 半 はん 時刻 じこく の 言い いい 方 かた は 二 に 通り とおり あります。 駅 えき や 放送 ほうそう で 使う つかう 24 時間 じかん の 言い いい 方 かた と、 会話 かいわ で 使う つかう 12 時間 じかん の 言い いい 方 かた です。 前者 ぜんしゃ は 数 すう を 並べる ならべる だけで、 後者 こうしゃ に 日本語話者 にほんごわしゃ の 落とし穴 おとしあな があります。 時刻 じこく 会話 かいわ の 言い いい 方 かた 放送 ほうそう ・ 時刻 じこく 表 ひょう 9:00 neun Uhr (9 時 じ ) neun Uhr 9:15 Viertel nach neun (9 の 後 あと の 四 よん 分 ぶん の 一 いち ) neun Uhr fünfzehn 9:30 halb zehn ( 10 に 向かっ むかっ て 半分 はんぶん ) neun Uhr dreißig 9:45 Viertel vor zehn (10 の 前 まえ の 四 よん 分 ぶん の 一 いち ) neun Uhr fünfundvierzig 9:50 zehn vor zehn (10 の 10 分 ふん 前 まえ ) neun Uhr fünfzig 21:00 neun Uhr abends ( 晩 ばん の 9 時 じ ) einundzwanzig Uhr halb zehn は「10 時 じ 半 はん 」ではなく「9 時 じ 半 はん 」です。 「10 時 じ に 向かっ むかっ て 半分 はんぶん 来 き た」という 数