12.5 数・時間・単位・通貨・日付 — Epoché
この課で分かるようになること 英語の数が 三桁で区切られる 理由が分かり、日本語の四桁と結べる。 billion が 国によって別の数だった ことを知る。 日付の順で迷わない書き方 を一つ持つ。 単位を 換算せずに 受け取れる。 前提 : 12.4 まで。 まず、数は目で受け取る 8.19 読編 で置いたことを、もう一度置きます。 算用数字は目で受け取る 。英語で読み下す必要はありません。 読み下そうとすると、二つのことが起きます。一つ、 そこで止まります 。二つ、 読み下したあとで意味を取り直すことになります 。数は記号なので、 記号のまま受け取れば一度で済みます 。 ただし、 声に出すときは読み下さなければなりません 。だから、読むときと言うときで手が分かれます。この課で扱うのは、主に 読むとき のほうです。 ★三桁で区切る英語、四桁で区切る日本語 英語の数は、三桁ごとにコンマを打ちます。この課程の台本にも出ています。 59,538 [1] 日本語でも同じ位置にコンマを打ちますが、 日本語の数の名は四桁ごと に変わります。万・億・兆。 コンマの位置と、名の変わる位置がずれています 。 英語はずれていません。 名の変わる位置と、コンマの位置が同じ です。 8.19 読編 の原文が、そのまま表になっています。 その数 英語の名 日本語の名 1,000 one thousand [2] 千 1,000,000 one million [2] 百万 1,000,000,000 one billion [2] 十億 右の列を見てください。 日本語の名がそろっていません 。千・百万・十億——英語では名が一つ変わるだけのところを、日本語では 数詞を組み合わせて 言っています。 だから、英語の大きな数を日本語に直すのに 一手間かかります 。これは語彙の問題ではなく、 区切りの桁が違う ことから来ています。慣れるしかありません。 覚え方を一つ置きます—— コンマを数える 。コンマ一つで thousand 、二つで million 、三つで billion 。 数字を読まずに、コンマだけ見る のが速いやり方です。 ★ billion は国によって別の数だった ここは 8.19 読編 でも触れたところです。同じ語が 別の数を指していた ——数の話でこれが起きるのは、なかなか怖いことです。 原文にこう書いてあります。 one billion (short scale), one milliard (long scale) [2] 二つの数え方 があるのです。 数え方 新しい名が付くのは どこで使われてきたか short scale a thousand times larger than the last named number [2] a lot more common in most English-speaking nations today [2] long scale a million times larger than the last named number [2] It is still used in some other European nations [2] つまり、 long scale では billion が もっと大きな数 を指し、こちらの billion に当たる数には milliard という別の名が付いていました。 原文は、いまの英語圏ではほとんど short scale だと書いています。だから ふつうは迷いません 。ただし、 古い本と、英語以外のヨーロッパの言語 では話が変わることがあります。 この課で持ち帰ってほしいのは、換算の表ではありません。 数の名は、思っているほど世界共通ではない ということです。大きな数が出てきて話が合わないときは、 数え方を疑ってよい —— 8.23 読編 で置いた「読めないときは文章のほうを疑う」と同じ構えです。 時刻 — 十二時間で言い、午前と午後を足す 英語圏の日常では、時刻を 十二までの数 で言います。二十四時間制は、時刻表や軍隊など決まった場でしか使いません。 池の文にも、その形で出ています。 Can you come at nine? [3] 朝の九時か、夜の九時か は書かれていません。前後の場面で決まるからです。はっきりさせたいときは、 a.m. (午前)と p.m. (午後)を足します。 もう一つ、時間の長さを言う形も出ています。 in 10 to 15 minutes [4] 「〜から〜のあいだ」を to でつなぐ 。日本語の「十分から十五分」と同じ並びです。そして、これも 算用数字のまま目で受け取れます 。 変わった言い方も一つ覚えておいてください。 provide 24-7 medical stabilization [5] 一日二十四時間、週七日 ——つまり「休みなし」です。 8.22 読編 で置いたとおり、 数が形容詞のように使われる ことがあります。 ★日付 — 月の名を字で書けば、順で迷わない 日付は、この課でいちばん厄介なところです。 国によって順が入れ替わります 。 書き方 何が起きるか 数字だけで書く 月と日のどちらが先か分からない 。同じ並びが別の日を指すことがある 月の名を字で書く どちらの順でも読める 。月は字、日は数字なので取り違えようがない だから、この課程では 月の名を字で書く ことを勧めます。順を覚えるより、 順が問題にならない書き方を選ぶ ほうが確実です。 月の名は、 8.40 読編 の童謡で四つ出てきました。 Thirty days hath September, April, June, and November; [6] 暦の歌 です。 8.40 読編 で置いたとおり、 覚えたい中身を韻と拍子に載せた もの。月の名と日数を、これで一度に覚えられます。 もう一つ、 数字だけで書きたいとき の手もあります。年・月・日の順に、大きいほうから並べる書き方が国際規格で決まっています [7] 。この順なら 取り違えようがありません 。大きいほうから小さいほうへ、という並びは 時計の読み方と同じ だからです。 通貨 — 記号は数の前 通貨の記号は 数の前 に置きます。日本語は「五円」と うしろ に置くので、順が逆です。 ただし、 声に出すときは数が先 になります。書くときは記号が前、言うときは数が前—— 書き方と言い方がずれている 数少ない例です。 この課程の読み物にも、貨幣が出ています。 two bright, new silver dollars [8] ここでは記号ではなく 語で書かれて います。記号は 金額を言うとき に使い、 ものとしての貨幣 を言うときは語で書きます。 ★単位 — 読むときは換算しない 最後に、この課でいちばん役に立つことを置きます。 読むときに単位を換算しない 。 英語の文章には、日本で使わない単位が出てきます。距離・重さ・温度。出てくるたびに換算していたら、 読み進めません 。 では、どうするか。 大きいか小さいかだけを取ります 。 出てきたもの 取ること 取らないこと 距離 近いか遠いか 何キロメートルか 重さ 重いか軽いか 何キログラムか 温度 暑いか寒いか 何度か たいていの文章で、 書き手が言いたいのは右の列ではなく、まん中の列 です。「遠い町から来た」と言いたいのであって、距離を測ってほしいわけではありません。 換算が要るのは 三つの場面だけ です—— 買うとき、作るとき、体に関わるとき 。料理の分量、薬の量、服の寸法。そのときは 止まって、調べて、書き出して ください。 読みながら暗算しない 。 これは 8.19 読編 で置いた「数字と記号は目で受け取る」の続きです。 目で受け取るとは、換算しないということ でもあります。 練習 大きな数の名を コンマの数と一緒に 音読する——「コンマ一つ、 thousand 」「コンマ二つ、 million 」「コンマ三つ、 billion 」。3 周する。3 周目は音声に重ねて シャドーイング する。 8.40 読編 の暦の歌を、 月の名だけ強く 音読する。3 周する。そらで言えるようになったら、 月の名と日数を一度に覚えたことになります 。 英語の文章を一つ選び、 数が出てくるところに印をつける 。それぞれについて、 換算が要るか要らないか を決める。要らないものが大半のはずです。 この課のまとめ 算用数字は目で受け取る。 読み下すのは声に出すときだけ。 ★ 英語は三桁で名が変わり、日本語は四桁で変わる。 コンマの位置と名の変わる位置が、英語では同じ、日本語ではずれている。 速い読み方は コンマを数える ——一つで thousand 、二つで million 、三つで billion 。 ★ billion は 国によって別の数だった ( short scale と long scale )。 数の名は世界共通ではない 。話が合わなければ数え方を疑う。 時刻は 十二までの数 で言い、要るときだけ a.m. ・ p.m. を足す。 ★ 日付は月の名を字で書く。 順を覚えるより、 順が問題にならない書き方を選ぶ 。 通貨の記号は 数の前 。ただし 言うときは数が先 。 ★ 読むときは単位を換算しない。 大きいか小さいかだけを取る。換算が要るのは 買うとき・作るとき・体に関わるとき の三つだけ。 次の課へ 次の課は 12.6 、 学校と暮らし ——英語圏の一日です。第 2 期の知編の最後になります。この課で扱ったのは 数え方 でした。次の課で扱うのは 一日の過ごし方 です。学校の始まる時刻、食事の時刻、休みの取り方—— 読み物に出てくる暮らしの前提 を、この課程の読み物そのものから取り出します。 答え 三つめの課題について。 換算が要らないと判断できた数が多いほど、正しく読めています 。 要らない例 ——距離・広さ・人数・値段のおおよそ・年代。どれも 大きいか小さいか だけで話が進みます。 要る例 ——料理の分量、薬の量、服や靴の寸法、旅の予算。 自分が何かをするとき だけです。 全部に「要る」と付けた場合、 読むことと使うことを分けられていません 。読んでいる最中にできることは限られています。 止まる場所を減らすほど、読める量は増えます 。 参考文献 原文の出所: VOA Learning English「Let's Learn English」Level 1, "Lets Learn English Lesson 20 What Can Yo"。パブリックドメイン(アメリカ合衆国政府の著作物)。原文は 1 字も変えていない。https://learningenglish.voanews.com/p/5644.html 原文の出所: Simple English Wikipedia, "Number"。CC BY-SA 4.0。原文は 1 字も変えていない。https://simple.wikipedia.org/wiki/Number Tatoeba 文 #72284(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/72284 原文の出所: VOA Learning English「Let's Learn English」Level 1, "Lets Learn English Lesson 47 How Can I H"。パブリックドメイン(アメリカ合衆国政府の著作物)。原文は 1 字も変えていない。https://learningenglish.voanews.com/p/5644.html 原文の出所: Simple English Wikipedia, "Hospital"。CC BY-SA 4.0。原文は 1 字も変えていない。https://simple.wikipedia.org/wiki/Hospital 原文の出所: 『The Real Mother Goose』(1916), "The Bird Scarer / Just Like Me / A Thorn / Thirty Days Hath September / Doctor Fell / I Ll Tell You A Story / One Two Three / The Man Of Derby / Betty Blue"。パブリックドメイン(Project Gutenberg #10607)。原文は 1 字も変えていない。https://www.gutenberg.org/ebooks/10607 ISO 8601 — 日付および時刻の表記に関する国際規格。年・月・日を 大きいほうから 並べる。https://www.iso.org/iso-8601-date-and-time-format.html 原文の出所: William Holmes McGuffey『McGuffey's Third Eclectic Reader』(1879), "The New Year"。パブリックドメイン(Project Gutenberg #14766)。原文は 1 字も変えていない。https://www.gutenberg.org/ebooks/14766