知っているつもりを確かめる――ソクラテスと無知 — Epoché
解説 足りない知恵を自覚する プラトンの『弁明』のソクラテスは、知恵があると称する人を調べ、自分の知恵の足りなさを自覚する点に人間の知恵を見いだした、と紹介される。 何もかも知らないという全知識の否定ではない。ここで扱うのは作品に描かれた人物であり、本人の発言の録音ではない。 Plato’s Shorter Ethical Works 認めた考えどうしは両立するか 対話では、相手が認める考えを確かめる。それが最初の主張と両立しないと、主張を支えられないことが明らかになる場合がある。 相手が同意しただけで、その考えの客観的な正しさが証明されるわけではない。人格の劣等を証明することとも分ける。 Plato’s Shorter Ethical Works 行き詰まりは、正解とは違う 最初の主張を支えられず、答えが定まらない状態が行き詰まり。問い直す契機になるが、それだけで正しい答えが確定するとは限らない。 この方法が何を確立できるかには研究上の争点がある。必ず無意味だとも、必ず真理を得るとも断定しない。 Plato’s Shorter Ethical Works 知っているつもりを確かめる 段階 確かめること 最初の主張 何を知っていると考えるか 認める考え 最初の主張と両立するか 支えられない場合 答えを問い直す。正解の確定とは別 すべての対話に共通する固定手順や、知識獲得の保証ではない。 参考文献 Woodruff, Paul「Plato’s Shorter Ethical Works」。 出典