見取り:心の哲学と現象学の対話/自由意志・人格/一つの問いから原典・研究へ進む読書の道 — Epoché
解説 内側の経験と、外からのデータ 現象学的な観察は、経験がどう現れるかを丁寧に記述する。意識の研究では、それを脳や行動など外からのデータと照らす道がある。 自分の感じは誤りえないとも、外の測定だけで経験の全てが分かるとも言わない。全ての学派が同じ方法へ統一されたわけでもない。 出典2 自分の行為と、責任をどう結ぶか 自由意志は、選択や行動をどんな意味で自分が制御するかという問い。別の選択ができることや、行為が自分から生じることを、責任とどう結ぶかが争われる。 過去と自然法則から行動が必然となる決定論でも、理由に応じて行動できることなどから自由を認める両立論がある。脳の測定だけで自由の有無を直ちに決めない。 出典3 性格と、時間を越えた存続は違う どういう性格か、人としてどんな性質を持つか、時間を越えて同じ存在かは別の問い。存続の説明には、心理的つながりを重んじる説や、身体・生物としてのつながりを重んじる説がある。 性格が変わっただけで別の存在と決めない。記憶だけの単純な基準には反例があり、議論は未決である。 出典4 一問から、対立する理由へ進む 「機械は理解するか」なら、出典「中国語の部屋」の第3節で主張、第4節でシステムとロボットの反論を見比べられる。参考文献では、サールの原論文と、後の研究を区別できる。 研究から原典へ進む入口。原論文の訳や精読を代用するものではない。 出典1 問いに合わせ、確かめる区別を選ぶ 問い 入口となる区別 意識 経験の記述/外からのデータ 自由意志 行為の制御/責任の条件 人格の同一性 性格/時間を越えた存続 機械の理解 主張/理由/反論と原典の帰属 一つの問いを深めるための見取り。異なる議論を一つの答えへまとめない。 参考文献 [1] David Cole「The Chinese Room Argument」。 出典 [2] Robert Van Gulick「Consciousness」。 出典 [3] Timothy O’Connor; Christopher Franklin「Free Will」。 出典 [4] Eric T. Olson「Personal Identity」。 出典