疑い・探究・思い込みから独立するもの — Epoché
解説 疑いから探究が始まる パース「信念の固定」から、離れた二箇所を別々に読む。まず、探究の直接の動機を述べる箇所。 原文:The irritation of doubt causes a struggle to attain a state of belief. I shall term this struggle inquiry, though it must be admitted that this is sometimes not a very apt designation. 独自訳:疑いのいらだちは、信念の状態に達しようとする努力を引き起こす。この努力を私は探究と呼ぶ。ただし、これは時にはあまり適切な呼び名ではないと認めなければならない。 疑いが収まることと、信じた内容が正しいことは分ける。 出典1 思い込みだけで決まらないもの 後の箇所では、科学的方法の基本仮説を述べる。 原文:There are real things, whose characters are entirely independent of our opinions about them; 独自訳:実在するものがあり、その性質は、それについての私たちの意見から完全に独立している。 引用はここで句を切っている。続く文では、感覚・推論・十分な経験も必要とされる。 出典1 ライトがつかない場合に並べる ここからは教材の作例。いつもつくライトがつかず、電池切れと思ったが、接続も調べ直す場面を考える。 パース本人の事例ではない。調べた後に点灯しても、一度だけで原因が一つに決まるとはしない。 出典1 同じライトの作例を、原文の二つの観点で整理する 作例の場面 原文と並べる観点 予想に反してつかない 疑いが調べ直す動機になる 電池と接続を調べる 思い込みだけで対象の状態は変わらない 点灯した後も条件を区別 納得と原因の確定を混同しない 編集作例の整理。一回の成功を、唯一の原因の証明にしない。 参考文献 [1] C.S. Peirce「信念の固定」『Popular Science Monthly』1877年11月、6・11頁。本教材が原版から別々に抜粋・転記し日本語訳。間の文章・原版画像は掲載しない。「パース「信念の固定」IV・V節(1877年、6・11–12頁)」。 出典 本教材の独自訳・解説 CC BY-SA 4.0(パース原文)