1.2 咽頭音 — 喉の奥を締めて出す 2 つの子音 — Epoché
この 課 か でできるようになること 喉 のど の 奥 おく を 締め しめ て 出す だす 2 つの 子音 しいん を、それぞれ 出せる だせる 。 この 2 つが 有声 ゆうせい と 無声 むせい の 対 たい であることを 説明 せつめい できる。 軽い かるい ハ行 はぎょう やハムザとの 違い ちがい を、 意味 いみ の 変わる かわる 語 ご の 対 たい で 確かめ たしかめ られる。 前提 ぜんてい : 1.1( 音 おと の 全体 ぜんたい 像 ぞう ) 喉 のど の 奥 おく にもうひとつの 場所 ばしょ がある 日本語 にほんご の 子音 しいん は、 唇 くちびる ・ 歯 は ・ 歯ぐき はぐき ・ 舌 した の 奥 おく という、 口 くち の 中 なか のいくつかの 場所 ばしょ で 作ら つくら れます。いちばん 奥 おく が カ行 かぎょう の 子音 しいん で、そこから 先 さき には 何 なん もありません。アラビア 語 ご には その 先 さき にもうひとつ 場所 ばしょ があります 。 喉 のど の 奥 おく 、のどびこよりさらに 下 した のあたりです。 ここで 作ら つくら れる 子音 しいん が 2 つあります。ハーゥとアイン。 息 いき だけを 通せ とおせ ばハーゥ、そこに 声 こえ を 乗せれ のせれ ばアインです。 日本語 にほんご の「サ」と「ザ」が 同じ おなじ 場所 ばしょ で 息 いき だけか 声つき こわつき かで 分かれる わかれる のと、まったく 同じ おなじ 関係 かんけい にあります。 この 2 つは、アラビア 語 ご を 耳 みみ で 聞い きい たときにいちばん「アラビア 語 ご らしい」と 感じ かんじ させる 音 おと です。 逆 ぎゃく に 言え いえ ば、 この 2 つを 出せ だせ ないと、いつまでも 外国 がいこく 語 ご なまりが 残り のこり ます 。ここに 1 課 か を 使う つかう 理由 りゆう がそれです。 難しく むずかしく 感じる かんじる のは、 日本語 にほんご で 使わ つかわ ない 場所 ばしょ だからで、 出せ だせ ない 音 おと だからではありません。 実 じつ は 日本語話者 にほんごわしゃ も、 力 ちから を 入れ いれ て 何 なん かを 持ち上げる もちあげる ときや、ものを 飲み込む のみこむ ときに、この 場所 ばしょ を 無 む 意識 いしき に 締め しめ ています。 その 締まり しまり を、 声 こえ を 出し だし ながら 作る つくる のがこの 課 か の 練習 れんしゅう です。 出し だし 方 かた 手順 てじゅん を 追っ おっ て 作り つくり ます。 鏡 きょう を 見 み ながら、 喉 のど のあたりに 手 て を 軽く かるく 当て あて てやってみてください。 喉 のど が 動く うごく のが 手 て に 伝わり つたわり ます。 ハーゥ — 息 いき だけの 音 おと 軽く かるく 口 くち を 開け あけ て、 息 いき を 吐き はき ます。この 状態 じょうたい では、 日本語 にほんご の ハ行 はぎょう に 近い ちかい 息 いき の 音 おと が 出 で ます。 そのまま、 喉 のど の 奥 おく をきゅっと 締め しめ ます 。 重い おもい ものを 持ち上げる もちあげる ときに 息 いき を 止める とめる 、あの 締まり しまり です。ただし 完全 かんぜん には 閉じ とじ ません。 締め しめ たまま 息 いき を 通し とおし 続け つづけ ます。 息 いき が 狭い せまい ところを 擦っ すっ て 通る とおる 、かすれた 音 おと になります。これがハーゥです。 声 こえ は 出し だし ません。 喉 のど に 手 て を 当て あて て、 震え ふるえ ていなければ 正しく まさしく 出 で ています。 アイン — 声 こえ を 乗せ のせ た 音 おと ハーゥの 構え かまえ をそのまま 作り つくり ます。 喉 のど の 奥 おく が 締まっ しまっ ている 状態 じょうたい です。 その 締まり しまり を 保っ たもっ たまま、 声 こえ を 出し だし ます 。「アー」と 言う いう つもりで、 喉 のど の 締まり しまり だけを 残し のこし ます。 喉 のど に 手 て を 当てる あてる と、 震え ふるえ ているのが 分かり わかり ます 。これがハーゥとの 違い ちがい です。 アインは 母音 ぼいん といっしょに 現れ あらわれ ます。 単独 たんどく で 出そう だそう とせず、「アッ」「イッ」「ウッ」と 締め しめ てから 母音 ぼいん へ 抜ける ぬける 、という 動き うごき で 練習 れんしゅう してください。 うまく 出 で ないときは、 力 ちから を 抜く ぬく 方向 ほうこう で 試し ためし てください。 日本語話者 にほんごわしゃ は「 新しい あたらしい 音 おと を 出す だす 」と 意識 いしき すると 喉 のど 全体 ぜんたい に 力 ちから を 入れ いれ てしまい、 締まり しまり が 強 つよ すぎて 声 こえ が 止まり とまり ます。 締める しめる のは 奥 おく の 一 いち 点 てん だけで、ほかは 緩め ゆるめ たままです。 もうひとつの 手がかり てがかり は、 あくびの 直前 ちょくぜん の 状態 じょうたい です。あくびをしようとして 口 くち を 開け あけ たまま 我慢 がまん すると、 喉 のど の 奥 おく が 広がっ ひろがっ て 締まり しまり が 作り つくり やすくなります。 最小 さいしょう の 対 たい 音 おと が 出せる だせる ようになったら、まぎれる 音 おと との 対 たい で 確かめ たしかめ ます。ハーゥは 軽い かるい ハ行 はぎょう と、アインはハムザと 取り違え とりちがえ られます。どちらも 字 じ が 変わる かわる ので、 意味 いみ も 変わり かわり ます 。 この 課 か の 音 おと まぎれる 音 おと 意味 いみ حَال ハール هَال ハール 状態 じょうたい 、 様子 ようす /カルダモン حَبّ ハッブ هَبّ ハッブ 穀物 こくもつ 、 種 しゅ /( 風 かぜ が) 吹い ふい た عَيْن アイン أَيْن アイナ 目 め 、 泉 いずみ /どこ عَمَل アマル أَمَل アマル 仕事 しごと 、 行い おこない / 希望 きぼう カタカナで 書く かく と、 対 たい の 2 語 ご がまったく 同じ おなじ に 見え みえ てしまいます。 カタカナはこの 区別 くべつ を 写せ うつせ ません 。 読み上げ よみあげ の 音声 おんせい を 聞い きい て、 耳 みみ で 違い ちがい を 掴ん つかん でください。 目 め を 閉じ とじ て 聞き きき 、どちらか 当て あて られるようになるのが 目標 もくひょう です。 仕事 しごと と 希望 きぼう の 対 たい は、 日常 にちじょう でよく 使う つかう 語 ご どうしなので 実際 じっさい に 困り こまり ます。 取り違える とりちがえる と 意味 いみ が 通ら とおら ないので、 母語 ぼご 話者 わしゃ は 聞き返し ききかえし ます。 語 ご で 通す とおす この 2 つの 音 おと を 含む ふくむ 頻出 ひんしゅつ 語 ご です。 音 おと が 語 ご のどこに 出る でる かを 添え そえ ました。 語頭 ごとう ・ 語中 ごちゅう ・ 語末 ごまつ で、 締める しめる タイミングが 変わり かわり ます。 語 ご 意味 いみ 注 ちゅう حَال ar ハール 状態 じょうたい 、 様子 ようす 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 語頭 ごとう 。 息 いき を 通し とおし ながら 締める しめる على كل حال سأتصل بك غدا. [1] とにかく明日電話するよ。 يستحسن أن تذهب لرؤية طبيب العائلة حالاً. [2] 君はすぐにかかりつけの医者にみてもらったほうがいい。 بَحْر ar バフル 海 うみ 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 語中 ごちゅう 。 母音 ぼいん を 持た もた ないので 短く みじかく 締める しめる الْبَحْرُ أَخْضَرُ. [3] その海は青い。 البحر في شونان مزدحم كثيراً يوم الأحد. [4] 湘南の海水浴場は日曜日にはとても混む。 مِفْتَاح ar ミフターフ 鍵 かぎ 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 語末 ごまつ 。 締め しめ たまま 息 いき を 抜い ぬい て 終わる おわる أخرج مفتاحًا من جيب معطفه. [5] 彼は上着のポケットからカギを取り出した。 هل هذا هو المفتاح الذي يبحث عنه عمك؟ [6] これはあなたのおじさんが探している鍵ですか。 عَيْن ar アイン 目 め 、 泉 いずみ 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 語頭 ごとう 。 締め しめ てから 母音 ぼいん へ 抜ける ぬける سَاعَة ar サーア 時計 とけい 、1 時間 じかん 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 語中 ごちゅう 。 長母音 ちょうぼいん のあとに 締める しめる درس كل يوم لمدة ساعة ونصف. [7] 彼は毎日1時間半勉強した。 في أي ساعة خرجت من الفندق؟ [8] 何時に彼女はホテルを出ましたか。 عَمَل ar アマル 仕事 しごと 、 行い おこない 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 語頭 ごとう 。 仕事 しごと のアマルと 希望 きぼう のアマルはここで 分かれる わかれる إنتهت من عملها قبل الساعة الخامسة. [9] 彼女は5時前に自分の仕事を終えた。 هل يذهب إلى عمله بالحافلة؟ [10] 彼はバスで通勤していますか。 أَرْبَعَة ar アルバア 4 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 語末 ごまつ 近く ちかく 。 数詞 すうし にも 出る でる 日本語話者 にほんごわしゃ がつまずくところ 喉 のど 全体 ぜんたい に 力 ちから を 入れる いれる 。 いちばん 多い おおい 失敗 しっぱい です。 力む りきむ と 声 こえ が 止まり とまり 、 音 おと が 出 で なくなります。 締める しめる のは 喉 のど の 奥 おく の 一 いち 点 てん だけです。うまくいかないときは、いったん 力 ちから を 全部 ぜんぶ 抜い ぬい て、あくびの 直前 ちょくぜん の 形 かたち から 作り直し つくりなおし てください。 アインを 母音 ぼいん だと 思う おもう 。 アインは 子音 しいん です。カタカナで「ア」と 書く かく ので 母音 ぼいん に 見え みえ ますが、 実際 じっさい には 子音 しいん アインに 母音 ぼいん のアが 続い つづい ています。 目 め を 意味 いみ する 語 ご は、 子音 しいん ・ 母音 ぼいん ・ 子音 しいん ・ 子音 しいん の 4 つでできています。 ハーゥを 軽い かるい ハ行 はぎょう で 代用 だいよう する。 通じる つうじる ことも 多い おおい のですが、 対 たい になる 語 ご があると 意味 いみ が 変わり かわり ます。 海 うみ を 意味 いみ する 語 ご を 軽い かるい ハ行 はぎょう で 読む よむ と、 母語 ぼご 話者 わしゃ には 別 べつ の 語 ご に 聞こえ きこえ ます。 練習 れんしゅう 練習 れんしゅう 1 — 聞き分ける ききわける 次 つぎ の 2 語 ご を 続け つづけ て 読み上げ よみあげ ます。そのうち、 喉 のど の 奥 おく を 締め しめ て 出す だす ほうはどちらですか。 読み上げ よみあげ の 音声 おんせい を 聞い きい てから 答え こたえ てください。 答え こたえ はこの 課 か の 最後 さいご にあります。 حَال، هَال عَيْن، أَيْن حَبّ، هَبّ عَمَل، أَمَل 練習 れんしゅう 2 — 音読 おんどく 次 つぎ の 5 語 ご を 声 こえ に 出し だし て 読ん よん でください。 喉 のど に 手 て を 当て あて て、 締まり しまり が 起き おき ているか、 声 こえ が 震え ふるえ ているかを 確かめ たしかめ ながら 読み よみ ます。 読み上げ よみあげ の 音声 おんせい と 自分 じぶん の 声 こえ を 交互 こうご に 聞き比べ ききくらべ てください。 حَال / بَحْر / عَيْن / سَاعَة / مِفْتَاح この 課 か のまとめ 喉 のど の 奥 おく に、 日本語 にほんご には 無い ない 調音 ちょうおん の 場所 ばしょ がある。 そこで 息 いき だけを 通せ とおせ ばハーゥ、 声 こえ を 乗せれ のせれ ばアイン。 有声 ゆうせい と 無声 むせい の 対 たい 。 ハーゥは 軽い かるい ハ行 はぎょう と、アインはハムザとまぎれる。どちらも 意味 いみ が 変わる かわる 。 力 ちから を 抜き ぬき 、あくびの 直前 ちょくぜん の 形 かたち から 作る つくる 。 締める しめる のは 奥 おく の 一 いち 点 てん だけ。 カタカナはこの 区別 くべつ を 写せ うつせ ない。 耳 みみ で 覚える おぼえる しかない。 次 つぎ の 課 か へ 第 だい 1.3 課 か では、 舌 した の 奥 おく を 喉 のど のほうへ 引い ひい て 出す だす 4 つの 子音 しいん を 扱い あつかい ます。0.5 課 か で 字 じ として 覚え おぼえ た 組 くみ で