0.7 ハムザとアリフの諸形、丸いターゥ、点の無いヤーゥ — Epoché
この 課 か でできるようになること ハムザの 印 しるし を 読み よみ 、アリフ・ワーウ・ヤーゥのどれに 乗る のる かを 見分け みわけ られる。 語末 ごまつ の 丸い まるい ターゥを 読み よみ 、 名詞 めいし の 女性形 じょせいけい の 印 しるし であることを 知っ しっ ている。 点 てん の 無い ない ヤーゥを 読み よみ 、 長い ながい アーの 音 おと であることを 知っ しっ ている。 前提 ぜんてい : 0.6( 残り のこり の 9 字 じ 。これで 28 字 じ が 揃う そろう ) 28 字 じ は 揃い そろい ましたが、 実際 じっさい の 文章 ぶんしょう にはこの 28 字 じ に 数え かぞえ ない 書き分け かきわけ がいくつも 出 で てきます。どれも 28 字 じ のどれかの 変わり種 かわりだね で、 新しい あたらしい 字 じ ではありません。しかし 読め よめ ないと 語 ご が 読め よめ ないので、この 課 か でまとめて 扱い あつかい ます。 ハムザ — 28 字 じ に 数え かぞえ ない 子音 しいん アラビア 語 ご には、 声門 せいもん をいったん 閉じ とじ てから 開く ひらく 子音 しいん があります。 日本語 にほんご で「あっ」と 驚く おどろく ときの、 喉 のど が 締まっ しまっ て 開く ひらく 感じ かんじ の 音 おと です。この 音 おと をハムザと 呼び よび ます。 ハムザは 子音 しいん なのに、28 字 じ には 数え かぞえ ません。 理由 りゆう は 歴史 れきし 的 てき なもので、アラビア 文字 もじ が 作ら つくら れた 時期 じき の 方言 ほうげん ではこの 音 おと が 弱かっ よわかっ たからだと 言わ いわ れています。あとから 印 しるし として 書き足す かきたす 仕組み しくみ が 整え ととのえ られたので、いまでも 独立 どくりつ した 字 じ ではなく 印 しるし として 扱わ あつかわ れます。 印 しるし の 形 かたち は、 小さな ちいさな 耳 みみ のような 形 かたち です。この 印 しるし がどこに 乗る のる かが、 日本語話者 にほんごわしゃ を 最初 さいしょ に 戸惑わ とまどわ せるところです。ハムザは 台 だい の 字 じ の 上 うえ に 乗り のり ます。 台 だい になるのはアリフ・ワーウ・ヤーゥの 3 字 じ で、どれが 台 だい になるかは 前後 ぜんご の 母音 ぼいん で 決まり きまり ます。 台 だい を 持た もた ず、 単独 たんどく で 書か かか れることもあります。 形 かたち 台 だい といつ 使う つかう か 例 れい أ アリフの 上 うえ 、 語頭 ごとう でアかウの 母音 ぼいん が 続く つづく とき أَب アブ( 父 ちち ) إ アリフの 下 もと 、 語頭 ごとう でイの 母音 ぼいん が 続く つづく とき إِبْن イブン( 息子 むすこ ) ؤ ワーウの 上 うえ 、 語中 ごちゅう ・ 語末 ごまつ でウの 響き ひびき が 強い つよい とき سُؤَال スアール( 質問 しつもん ) ئ ヤーゥの 上 うえ 、 語中 ごちゅう ・ 語末 ごまつ でイの 響き ひびき が 強い つよい とき قَائِل カーイル( 言う いう 人 ひと ) ء 台なし だいなし 、 長母音 ちょうぼいん のあとや 語末 ごまつ مَاء マーゥ( 水 みず ) 台 だい の 選び えらび 方 かた には 規則 きそく がありますが、 書く かく ために 覚える おぼえる 必要 ひつよう は 当面 とうめん ありません。 読む よむ ときは 台 だい を 無視 むし して、ハムザの 音 おと だけを 拾え ひろえ ば 十分 じゅうぶん です。 台 だい の 字 じ は 音 おと を 持た もた ず、 印 しるし を 乗せる のせる ための 土台 どだい にすぎないからです。 書き分け かきわけ は 作 さく 編 へん の 作文 さくぶん で 必要 ひつよう になったときに 扱い あつかい ます。 ヤーゥが 台 だい になるときは、 点 てん を 書き かき ません 。 字 じ 編 へん 3 課 か で「 地域 ちいき によっては 点 てん を 書か かか ない」と 言っ いっ たのとは 別 べつ の 理由 りゆう で、こちらは 規則 きそく として 点 てん が 消え きえ ます。ハムザが 乗っ のっ ているヤーゥを 見 み たら、 点 てん のことは 忘れ わすれ てください。 語頭 ごとう のアリフ — 音 おと を 持た もた ない 台 だい アラビア 語 ご には、 母音 ぼいん で 始まる はじまる 語 ご がありません。 母音 ぼいん の 前 まえ には 必ず かならず 子音 しいん が 要り いり ます。ところが 日本語話者 にほんごわしゃ から 見る みる と、 明らか あきらか に「イ」で 始まる はじまる 語 ご や「ア」で 始まる はじまる 語 ご がたくさんあります。 これは、 語頭 ごとう のアリフが 音 おと を 持た もた ない 台 だい として 働い はたらい ているからです。 台 だい の 上 うえ か 下 した にハムザが 乗っ のっ ていれば、そのハムザが 子音 しいん です。ハムザが 無い ない ときは、 前 まえ の 語 ご と 続け つづけ て 読む よむ と 台 だい のアリフごと 消え きえ ます。この 消える きえる 台 だい をワスラと 呼び よび 、 印 しるし としてアリフの 上 うえ に 小さな ちいさな 記号 きごう を 乗せ のせ て 示す しめす ことがあります。 実際 じっさい の 文章 ぶんしょう では、この 記号 きごう はほとんど 書か かか れません。 読む よむ ときは 「 語頭 ごとう のアリフは 音 おと を 持た もた ない」と 覚え おぼえ ておけば 足り たり ます 。 次 つぎ の 0.8 課 か で 扱う あつかう 定冠詞 ていかんし のアリフが、まさにこの 消える きえる 台 だい です。 語末 ごまつ の 丸い まるい ターゥ 語 ご の 終わり おわり に、 ハーゥの 丸 まる の 上 うえ に 点 てん を 2 つ 乗せ のせ た 字 じ が 現れ あらわれ ます。ターゥ・マルブータ、「 結ば むすば れたターゥ」という 名前 なまえ です。 この 字 じ は、 名詞 めいし と 形容詞 けいようし の 女性形 じょせいけい の 印 しるし です。アラビア 語 ご の 名詞 めいし にはすべて 男性 だんせい か 女性 じょせい かの 区別 くべつ があり、 女性形 じょせいけい の 多く おおく はこの 字 じ で 終わり おわり ます。 日本語 にほんご には 無い ない 区別 くべつ ですが、フランス 語 ご やドイツ 語 ご を 学ん まなん だことがあれば 近い ちかい 仕組み しくみ だと 感じる かんじる はずです。 型 がた 編 へん で 正面 しょうめん から 扱い あつかい ます。 読み よみ 方 かた に 決まり きまり があります。 語 ご を 単独 たんどく で 言う いう ときや 文 ぶん を 切る きる ときは「ア」と 読み よみ 、 次 つぎ の 語 ご へ 続ける つづける ときは「アト」と 読み よみ ます。 日常 にちじょう の 会話 かいわ では 前者 ぜんしゃ 、 改まっ あらたまっ た 朗読 ろうどく では 後者 こうしゃ です。 学習 がくしゅう の 最初 さいしょ のうちは「ア」で 読ん よん でおけば 通じ つうじ ます。 語 ご 意味 いみ 注 ちゅう مَدِينَة ar マディーナ マディーナト 町 まち سيدني هي أكبر مدينة في استراليا. [1] シドニーはオーストラリア 最大 さいだい の 都市 とし です。 تعجبنا من تطور المدينة السريع. [2] その 都市 とし の 急速 きゅうそく な 発展 はってん に 私 わたくし たちは 驚い おどろい た。 لُغَة ar ルガ ルガト 言語 げんご أي لغة يتحدثون بها في أميركا؟ [3] アメリカでは 何語 なにご が 話さ はなさ れていますか。 هذه أول مرة أكتب باللغة العربية. [4] アラブ 語 ご で 書い かい たのは 初めて はじめて です。 سَاعَة ar サーア サーアト 時計 とけい 、 時間 じかん درس كل يوم لمدة ساعة ونصف. [5] 彼 かれ は 毎日 まいにち 1 時間 じかん 半 はん 勉強 べんきょう した。 في أي ساعة خرجت من الفندق؟ [6] 何 なん 時 じ に 彼女 かのじょ はホテルを 出 で ましたか。 غُرْفَة ar グルファ グルファト 部屋 へや في هذا البيت إحدى عشرة غرفة. [7] この 家 いえ には11 部屋 へや あります。 هما في الغرفة. [8] 二人 ふたり は 部屋 へや にいます。 点 てん の 無い ない ヤーゥ 語 ご の 終わり おわり に、 ヤーゥの 形 かたち をしていて 点 てん が 無い ない 字 じ が 現れ あらわれ ます。アリフ・マクスーラ、「 縮め ちぢめ られたアリフ」という 名前 なまえ です。 名前 なまえ のとおり、これは アリフの 変わり種 かわりだね で、 音 おと は 長い ながい アーです。ヤーゥの 形 かたち をしているのに、 読む よむ ときはアーになる——ここが 躓き つまずき どころです。 語末 ごまつ にしか 現れ あらわれ ないので、その 位置 いち で 点 てん の 無い ない ヤーゥを 見 み たら 長い ながい アーだと 判断 はんだん できます。 ただし 字 じ 編 へん 3 課 か で 触れ ふれ たとおり、エジプトなどでは ふつうのヤーゥの 点 てん も 書か かか ない 習慣 しゅうかん があります。そうすると、 語末 ごまつ の 点 てん の 無い ない ヤーゥが 長い ながい イーなのか 長い ながい アーなのか、 字 じ だけでは 決まり きまり ません。 語 ご を 知っ しっ ているかどうかで 読み分ける よみわける ことになります。これは 無母音 むぼいん 表記 ひょうき の 不便 ふべん さと 同じ おなじ 性質 せいしつ の 問題 もんだい で、 慣れ なれ と 語彙 ごい で 解い とい ていきます。 日本語話者 にほんごわしゃ がつまずくところ ハムザの 台 だい を 音 おと だと 思う おもう 。 台 だい のアリフ・ワーウ・ヤーゥは 音 おと を 持ち もち ません。 父 ちち を 意味 いみ する 語 ご はアブと 読み よみ ますが、 字 じ はアリフとハムザとバーゥの 3 つに 見え みえ ます。 台 だい を 数え かぞえ ないので、 子音 しいん はハムザとバーゥの 2 つです。 丸い まるい ターゥをハーゥと 読む よむ 。 形 かたち が 似 に ているので、 点 てん を 見落とす みおとす と ハ行 はぎょう で 読ん よん でしまいます。 町 まち を 意味 いみ する 語 ご をマディーナフと 読む よむ のは、この 取り違え とりちがえ です。 語末 ごまつ の 丸 まる に 点 てん が 2 つあればターゥ と 覚え おぼえ てください。 点 てん の 無い ない ヤーゥをイーと 読む よむ 。 語末 ごまつ で 点 てん が 無けれ なけれ ば、まず 長い ながい アーを 疑っ うたがっ てください。ただし 前 まえ の 段 だん で 書い かい たとおり、 地域 ちいき によっては 区別 くべつ が 消え きえ ているので、 最後 さいご は 語彙 ごい で 決める きめる ことになります。 練習 れんしゅう 練習 れんしゅう 1 — 変わり種 かわりだね を 見分ける みわける 次 つぎ の 語 ご には、この 課 か で 扱っ あつかっ た 書き分け かきわけ のどれが 使わ つかわ れていますか。 答え こたえ はこの 課 か の 最後 さいご にあります。 مَاء ( 水 みず ) مَدِينَة ( 町 まち ) إِبْن ( 息子 むすこ ) سُؤَال ( 質問 しつもん ) عَلَى (〜の 上 うえ に) 練習 れんしゅう 2 — 書き取り かきとり マーゥ、マディーナ、イブンの 3 語 ご を 書き写し かきうつし てください。ハムザの 印 しるし は 骨 ほね と 点 てん を 書き かき 終え おえ てから、 母音記号 ぼいんきごう と 同じ おなじ 段階 だんかい で 乗せ のせ ます。 丸い まるい ターゥの 点 てん を 忘れ わすれ ないように 気 き をつけてください。 練習 れんしゅう 3 — 音読 おんどく 次 つぎ の 5 語 ご を 声 こえ に 出し だし て 読ん よん でください。 丸い まるい ターゥで 終わる おわる 語 ご は「ア」で 止め とめ ます。ハムザは 喉 のど をいったん 締め しめ てから 開く ひらく 音 おと で、 日本語 にほんご で「あっ」と 言う いう ときの 喉 のど の 動き うごき と 同じ おなじ です。 أَب / إِبْن / مَاء / مَدِينَة / سَاعَة この 課 か のまとめ ハムザは 声門 せいもん を 閉じ とじ て 開く ひらく 子音 しいん 。28 字 じ に 数え かぞえ ず、 印 しるし として 台 だい の 字 じ に 乗る のる 。 台 だい になるのはアリフ・ワーウ・ヤーゥ。 台 だい は 音 おと を 持た もた ないので、 読む よむ ときは 無視 むし してよい。 語頭 ごとう のアリフは 音 おと を