6.37 要約して話す — 一文めで全部言う — Epoché
この課で言えるようになること ★ 一文めで全部言える 。 ★ 形容詞から削れる ( 9.2 論編 )。 ★ 自分の言葉に置き直せる 。 ★ 要約したあとに確かめられる 。 前提 : 6.36 まで。論は 9.10 まで。 場面と話し手 ★ 会議やゼミで、人の発表を受けてまとめる場面 です。★ 学習者がまとめる側 になります。 ★口で要約するときは、一文めで全部言う ★ 書く要約と、話す要約は違います。 どちらか 聞き手・読み手は だから ★ 書く要約 ★ 最後まで読む ★ 順に積み上げてよい ★ 話す要約 ★ 途中で口を挟める ★ 一文めで全部言う ★ 話している途中で「つまり、こういうことですか」と言われたことはありませんか。 ★ あれは、聞き手が待てなくなった合図 です。 ★ 先に一文で言ってしまえば、そうはなりません。 ★ そのあとで、細かいところを足していけます。 12.10 知編 の 逆ピラミッド と同じ形です。 ★形容詞から削る 9.2 論編 で 「一文で要約する」 を扱いました。★ 削る順も、そこで置きました ——★ 形容詞から。 何を削るか 残るか なぜ ★ 形容詞 ★ 削る ★ 無くても何が起きたかは分かる 例 削る 一つの場合にすぎない ★ 動詞 ★ 残す ★ 何が起きたかそのもの ★ 数 ★ 一つだけ残す ★ いちばん効く数( 9.9 論編 ) ★ 口の要約では、数を一つだけ残すのが効きます。 ★ 「九割減りました」。 ★ これだけで、聞き手は事の大きさをつかめます。 ★自分の言葉に置き直す ★ 相手の語をそのまま使うと、分かっていないことが隠れます。 ★ 相手が「その効果は限定的だ」と言ったとき、こちらも「限定的ですね」と返すと、何も確かめたことになりません。 ★ 「つまり、一部の場合にしか効かない、ということですね」 ——★ こう置き直して、はじめて確かめになります。 ★ 9.13 論編 で「言い換えと引用」を扱います。 ★ 書くときは、言い換えたか引用したかを区別しなければなりません。 ★ 話すときは、言い換えのほうが礼儀にかないます。 ★要約したら、必ず確かめる ★ 要約は、自分の読みを相手に見せる行為 です。★ だから、合っているかどうかを聞かなければなりません。 ★ 「これで合っていますか」。 ★ この一言があるかないかで、要約は「押しつけ」にも「確かめ」にもなります。 ★ そして、「近いが少し違う」と返ってきたら、それは成功 です。★ どこが違うかを相手が言ってくれます。 ★ 自分一人では、その差に気づけません。 対話 A 話者 英文 日本語訳 学習者 Let me put that in my own words. [1] 自分の言葉で言い直させてください。 学習者 In one sentence, the count fell and no one knows why. [2] 一文で言うと、数は減りましたが、理由は誰にも分かりません。 学習者 Is that a fair summary of your point? [3] これで、あなたの言いたいことを正しくまとめられていますか。 相手 That is close, but not quite. [4] 近いのですが、少し違います。 ★ 二行目が一文の要約 です。★ 「数は減った。理由は分からない」。 ★ 8.104 読編 の記事ぜんたいが、この一文に入ります。 対話 B 話者 英文 日本語訳 学習者 Then let me try once more. [5] では、もう一度やってみます。 相手 You left out one thing, I think. [6] 一つ抜けていると思います。 学習者 In other words, he doesn't want to do it. [7] すなわち彼はそれをしたくないのだ。 相手 That is a good question. [8] いい質問ですね。 ★ 「一つ抜けている」と言われました。 ★ ここで謝らないでください。 ★ 「では、もう一度」で足ります。 日本語との言い方の違い 日本語は判断が文の終わりに来ます。「数は減ったという話でした」——「でした」まで聞かないと、それが要約なのか自分の意見なのかも決まりません。だから日本語の要約は、一文めを言い終えるまで 聞き手が口を挟めません 。この課の「一文めで全部言う」が日本語ではあまり効かないのは、そのためです。 英語は主語と動詞が先に出るので、一文の前半で結論が渡ってしまいます。対話 A の the count fell は三語で、ここまでで要約の芯は済んでいます。うしろの and no one knows why は足しです。つまり英語では、 要約が一文の途中で完成する ——だからこそ聞き手は途中で反応できるし、話す側は前半に何を置くかだけを考えれば足ります。 確かめ方の向きも違います。日本語は「〜ということでよろしいでしょうか」と、相手の判断を仰ぐ形になります。対話 A の Is that a fair summary of your point は逆で、 自分のまとめが公平かどうかを点検してもらう 形です。主語に立つのは相手の考えではなく、こちらの要約です。この向きだと、相手は「違う」と言いやすくなります——直すのは相手の考えではなく、こちらの作業だからです。 よくある誤り 断りの一文で、余分な語が入ります。 Let me to summarize → Let me summarize 。 let のうしろは原形で、 to を挟みません( 3.23 型編 )。「〜させてください」を移すときに、「させる」の分を to で埋めたくなるのが原因です。 「抜けている」を受身にしてしまうのも多い誤りです。 One thing is lacked → One thing is missing 。 lack は「〜を欠く」という他動詞で、欠けている物を主語にする形を持ちません。 前置きの形も崩れます。 In my understand → As I understand it 。日本語の「私の理解では」は名詞の形ですが、英語では節で言います。この一言を置いてから要約に入ると、 これは自分の読みだ と先に断れます。 言い換えと丁寧さ 直な言い方 要約での言い方 何が変わるか ★ つまりこういうことですね ★ 自分の言葉で言い直させてください ★ 断ってから置き直す ★ 合っていますか ★ これで正しくまとめられていますか ★ 自分の側の問題にする ★ 違います ★ 近いのですが、少し違います ★ どこが近いかを残す 言い回し 英文 日本語訳 どんなときに In short, I don't want you to work for that company. [9] 端的に言うと、私はあなたにその会社で働いて欲しくない。 ★ 短くまとめる In other words, he doesn't want to do it. [7] すなわち彼はそれをしたくないのだ。 ★ 言い換える ( 9.13 論編 ) That depends on the context. [10] それは文脈次第だね。 ★ 場合による と受ける We don't know much. [11] 私たち、あまり分かってないの。 ★ 分からないと認める That is a good question. [8] いい質問ですね。 ★ 間を取る型 ( 5.29 聞編 ) この課で使う型 — 型編の復習 型の名 この課での出方 戻る課 ★ 名詞化 a fair summary of your point 3.33 型編 使役 let me put that … 3.23 型編 ★ wh 節 no one knows why 3.20 型編 練習 対話 A と B を 音読 する。3 周する。3 周目は音声に重ねて シャドーイング する。 ★ 8.104 読編 の記事を、英語で一文にまとめる。 ★ 数を一つだけ入れてください。 ★ その一文に、「これで合っていますか」を足して言う。 次に人の長い話を聞いたとき(日本語でよい)、★ 一文で言い直して確かめる を一度やってみる。 この課のまとめ ★ 口で要約するときは、一文めで全部言う。 ★聞き手は途中で口を挟めるから( 12.10 知編 )。 ★ 話している途中で「つまり」と言われたら、聞き手が待てなくなった合図。 ★ 削る順は、形容詞から ( 9.2 論編 )。★動詞は残す。数は一つだけ残す( 9.9 論編 )。 ★ 自分の言葉に置き直す。 ★相手の語をそのまま使うと、分かっていないことが隠れる。 ★ 要約は、自分の読みを相手に見せる行為。 ★だから、合っているかを必ず聞く。 ★ 「これで合っていますか」があるかないかで、要約は押しつけにも確かめにもなる。 ★ 「近いが少し違う」と返ってきたら成功。 ★自分一人では、その差に気づけない。 ★ 「一つ抜けている」と言われても、謝らない。 「では、もう一度」で足りる。 次の課へ 次の課は 6.38 、 学術の質疑応答 です。★ 6.35 話編 では、質問を作りました。 ★ 次の課では、答えます。 ★ 答えられない問いが来たとき、どう言うか ——★ それが、いちばん大事なところ です。 答え 「練習」の四つの答えです。 ★ 一文の要約は、ゆっくり読んでください。 ★ 速く言うと、聞き手が受け取れません。 ★ 要約は、短いぶん一語の重さが増します。 ★ 「西部のオオカバマダラは九割以上減ったが、原因は分かっていない」 のような形です。★ 数は一つ。 ★ 二つ入れると、聞き手はどちらを覚えればよいか迷います。 ★ 足すと、一文が二文になります。 ★ それでよい です。★ 確かめの一文は、要約の一部 です。 ★ 日本語でやってみると、自分がどれだけ相手の語を借りているか が分かります。★ 借りた語を外すと、急に言えなくなるところ があります。★ そこが、分かっていないところ です。 参考文献 Epoché の作例です。 Epoché の作例です。 Epoché の作例です。 Epoché の作例です。 Epoché の作例です。 Epoché の作例です。 Tatoeba 文 #51871(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/51871 Tatoeba 文 #2480113(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/2480113 Tatoeba 文 #276729(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/276729 Tatoeba 文 #1535863(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/1535863 Tatoeba 文 #13474094(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/13474094