6.8 Le vieux et ses fils(老人と息子たち・翻案) — Epoché
この 篇 へん でできるようになること 三 さん 人 にん の 息子 むすこ と 父 ちち の 短い みじかい 寓話 ぐうわ を、 誰 だれ が 誰 だれ に 何 なん を 命じ めいじ ているかを 追い おい ながら 読める よめる 。 Venez ici. ・ Regardez. ・ Prends ces bâtons. ・ Cassez. の 命令 めいれい の 形 かたち ( tu と vous )を 読み分け よみわけ られる。 Ensemble, vous êtes forts. Seuls, vous n'êtes pas forts. の 対比 たいひ を、 文章 ぶんしょう の 芯 しん として 読める よめる 。 前提 ぜんてい : 6.7( Le Lièvre et la Tortue ) この 文章 ぶんしょう について 読み物 よみもの A の 最後 さいご の 篇 へん です。イソップに 由来 ゆらい し、ラ・フォンテーヌが『 寓話 ぐうわ 』 第 だい 四 よん 巻 かん に 収め おさめ た「 老人 ろうじん と 息子 むすこ たち」を、 既習 きしゅう 語 ご だけで 書き直し かきなおし た 翻案 ほんあん です。 原詩 げんし の 引用 いんよう ではありません。 筋 すじ は「 束ね たばね た 棒 ぼう は 折れ おれ ないが、 一 いち 本 ぽん ずつなら 折れる おれる 」—— 団結 だんけつ の 教え おしえ 。 日本 にほん では 毛利 もうり 元就 もとなり の「 三 さん 本 ぽん の 矢 や 」として 知ら しら れる、 同じ おなじ 型 かた の 話 はなし です。 内容 ないよう は、 村 むら の 老人 ろうじん が 死 し を 前 まえ に、 仲 なか の 悪い わるい 三 さん 人 にん の 息子 むすこ を 呼ぶ よぶ 。 十 じゅう 本 ぽん の 棒 ぼう を 縄 なわ で 束ね たばね たものを 渡し わたし 、 折れ おれ と 言う ゆう 。 力 ちから のある 長男 ちょうなん も、 次男 じなん も、 三 さん 男 なん も 折れ おれ ない。 父 ちち が 縄 なわ を 解き とき 、 一 いち 本 ぽん ずつ 渡す わたす 。 誰 だれ でも 折れる おれる 。「おまえたちはこの 棒 ぼう だ。 一緒 いっしょ なら 強い つよい 。 一人 ひとり なら 弱い よわい 。 一緒 いっしょ にいなさい」。 父 ちち は 目 め を 閉じ とじ 、 息子 むすこ たちは 泣き なき 、そして 一緒 いっしょ にいる。 作品 さくひん 辞書 じしょ に 五 ご 語 ご を 入れ いれ ました。 bâton ( 棒 ぼう )・ corde ( 縄 なわ )・ casser ( 折る おる )・ deuxième ( 二 に 番 ばん 目 め の)・ troisième ( 三 さん 番 ばん 目 め の)。 premier ( 最初 さいしょ の)は 音 おん 編 へん で 出 で ています。それ 以外 いがい は 既習 きしゅう 語 ご です。 文法 ぶんぽう メモ この 文章 ぶんしょう の 型 かた は 活 かつ 編 へん と 型 かた 編 へん 4.1〜4.6 の 範囲 はんい です。 命令 めいれい の 形 かたち が 多く おおく 出 で ます。3.8 で 表 ひょう にする 前 まえ の 先取り さきどり です。 命令 めいれい ( vous ) ( 活 かつ 編 へん 1 課 か )— Venez ici. ・ Regardez. ・ Cassez. ・ Restez ensemble. —— vous の 形 かたち を 主語 しゅご なしで。 父 ちち が 三 さん 人 にん に 向け むけ て 言う いう ので vous 。 本文 ほんぶん では venez ici がその 形 かたち です。 命令 めいれい ( tu ) ( 活 かつ 編 へん 2 課 か )— Prends ces bâtons. ( prendre )・ Essaie. ( essayer 。 -er 動詞 どうし は -s を 落とす おとす )。 父 ちち が 息子 むすこ 一人 ひとり に 向け むけ て 言う いう ので tu 。 本文 ほんぶん では Prends ces bâtons がその 形 かたち です。 序数 じょすう ( 型 かた 編 へん 1 課 か )— le premier fils ・ le deuxième fils ・ le troisième fils 。 premier だけ 形 かたち が 別 べつ で、 二 に 以降 いこう は 数 すう + -ième 。 本文 ほんぶん では Le troisième fils ne dit rien がその 形 かたち です。 pouvoir の 否定 ひてい ( 活 かつ 編 へん 4 課 か )— Il ne peut pas. (できない)。 後ろ うしろ の 不定詞 ふていし ( casser )は 省か はぶか れている。 Personne ne peut vous casser. ( 誰 だれ もおまえたちを 折れ おれ ない)。 本文 ほんぶん では Il ne peut pas がその 形 かたち です。 ensemble と seul ( 型 かた 編 へん 5 課 か )— Ensemble, vous êtes forts. ( 一緒 いっしょ なら 強い つよい )と Seuls, vous n'êtes pas forts. ( 一人 ひとり ずつなら 強く つよく ない)。 seuls は 形容 けいよう 詞 し で 主語 しゅご に 一致 いっち ( 男性 だんせい 複数 ふくすう )。 本文 ほんぶん では Ensemble, vous êtes forts がその 形 かたち です。 代名動詞 だいめいどうし の 相互 そうご ( 活 かつ 編 へん 4 課 か )— Ils se regardent. ( 互い たがい に 見る みる )。 se が「 互い たがい を」。 Aimez-vous. も「 互い たがい に 愛せ あいせ 」(3.8)。 本文 ほんぶん では Ils se regardent がその 形 かたち です。 対訳 たいやく ある 男 おとこ が 村 むら に 住ん すん でいます。 年老い としおい ています。 息子 むすこ が 三 さん 人 にん います。とても 疲れ つかれ ています。ベッドにいます。 死 し が 来る くる ことを 知っ しっ ています。 三 さん 人 にん の 息子 むすこ は 仲 なか が 良く よく ありません。 一緒 いっしょ に 話し はなし ません。 一緒 いっしょ に 働き はたらき ません。 長男 ちょうなん は 言い いい ます、 家 いえ は 俺 おれ のものだ。 次男 じなん は 言い いい ます、いや、 俺 おれ のものだ。 三 さん 男 なん は 何 なん も 言い いい ませんが、 怒っ おこっ ています。 老人 ろうじん は 息子 むすこ たちを 呼び よび ます。 「 息子 むすこ たちよ」と 彼 かれ は 言い いい ます、「ここへ 来 き なさい。 見 み なさい。」 机 つくえ の 上 うえ に 棒 ぼう があります。 十 じゅう 本 ぽん の 棒 ぼう が 縄 なわ で 束ね たばね てあります。 「この 棒 ぼう を 取れ とれ 」と 父 ちち は 長男 ちょうなん に 言い いい ます。「 折っ おっ てみろ。」 長男 ちょうなん は 力 ちから があります。 試し ためし ます。もう 一 いち 度 ど 試し ためし ます。でもできません。 十 じゅう 本 ぽん の 棒 ぼう は 一緒 いっしょ だと 強 つよ すぎます。 「おまえだ」と 父 ちち は 次男 じなん に 言い いい ます。「 試せ ためせ 。」 次男 じなん は 試し ためし ます。できません。 三 さん 男 なん も 試し ためし ます。できません。 父 ちち は 縄 なわ を 取り とり ます。 縄 なわ を 解き とき ます。 息子 むすこ がそれぞれ 一 いち 本 ぽん ずつ 棒 ぼう を 取り とり ます。 「さあ、 折れ おれ 。」 息子 むすこ はそれぞれ 自分 じぶん の 棒 ぼう を 折り おり ます。 難しく むずかしく ありません。 一 いち 本 ぽん の 棒 ぼう は 強く つよく ありません。 「 分かる わかる か」と 父 ちち は 言い いい ます。「おまえたちはこの 棒 ぼう だ。 一緒 いっしょ なら、おまえたちは 強い つよい 。 誰 だれ もおまえたちを 折れ おれ ない。 一人 ひとり ずつなら、 強く つよく ない。 一緒 いっしょ にいなさい、 息子 むすこ たちよ。 互い たがい を 愛せ あいせ 。 私 わたくし の 言葉 ことば を 聞け きけ 。」 老人 ろうじん は 目 め を 閉じ とじ ます。 三 さん 人 にん の 息子 むすこ は 棒 ぼう を 見 み ます。 縄 なわ を 見 み ます。 互い たがい を 見 み ます。それから 一緒 いっしょ に 泣き なき ます。そして 一緒 いっしょ にいます。 読み よみ どころ この 文章 ぶんしょう の 読み よみ どころは、 命令 めいれい の 形 かたち です。 父 ちち の 台詞 せりふ はほとんど 命令 めいれい で、 相手 あいて が 三 さん 人 にん なら venez ・ regardez ・ cassez ・ restez ( vous )、 一人 ひとり なら prends ・ essaie ( tu )。 同じ おなじ 父 ちち が、 相手 あいて の 人数 にんずう で 形 かたち を 替え かえ ています。 日本語 にほんご の「 来 き なさい」「 見 み なさい」は 人数 にんずう で 変わら かわら ないので、この 切り替え きりかえ が 目 め に 残る のこる はずです。3.8 の 命令法 めいれいほう の 表 ひょう は、この 文章 ぶんしょう を 思い出し おもいだし ながら 読ん よん でください。 対比 たいひ の 一 いち 文 ぶん を 確かめ たしかめ てください。 Ensemble, vous êtes forts. Seuls, vous n'êtes pas forts. —— 文頭 ぶんとう の 一 いち 語 ご ( ensemble 副詞 ふくし 、 seuls 形容 けいよう 詞 し )を 読点 とうてん で 切り きり 、 同じ おなじ 文 ぶん を 肯定 こうてい と 否定 ひてい で 繰り返す くりかえす 。 寓話 ぐうわ の 教え おしえ は、いつもこの 形 かたち で 言わ いわ れます。 seuls が 男性 だんせい 複数 ふくすう 形 けい なのは、 主語 しゅご vous が 三 さん 人 にん の 息子 むすこ だから。 形容 けいよう 詞 し が 文頭 ぶんとう にあっても 主語 しゅご に 一致 いっち する、4.7 の 先取り さきどり です。 Il ne peut pas. (できない)が 四 よん 回 かい 出 で ます。 pouvoir の 後ろ うしろ の 不定詞 ふていし casser は、 前 まえ の 文 ぶん で 分かる わかる ので 省か はぶか れています。 日本語 にほんご の「できない」と 同じく おなじく 、 何 なん ができないかを 言わ いわ ずに 済ま すま せる。3.4 の pouvoir が、 物語 ものがたり の 中 なか では 単独 たんどく で 使わ つかわ れることを 見 み ておいてください。 最後 さいご の 段落 だんらく は、 命令 めいれい も 台詞 せりふ もなく、 三 さん 人 にん の 動作 どうさ だけです。 Les trois fils regardent les bâtons. Ils regardent la corde. Ils se regardent. Puis ils pleurent ensemble. Et ils restent ensemble. —— regardent を 三 さん 度 ど 、 ensemble を 二 に 度 ど 。 父 ちち の 言葉 ことば Restez ensemble. が、 最後 さいご の 文 ぶん ils restent ensemble で 三 さん 人称 にんしょう に 変わっ かわっ て 返っ かえっ てくる。 既習 きしゅう 語 ご だけで、 寓話 ぐうわ の 結び むすび の 余韻 よいん が 作れ つくれ ています。 読み物 よみもの A はここまでです。 練習 れんしゅう 練習 れんしゅう 1 — 読み取る よみとる 原文 げんぶん を 読ん よん で、 次 つぎ に 答え こたえ てください。 三 さん 人 にん の 息子 むすこ は、なぜ 仲 なか が 悪い わるい のですか。 机 つくえ の 上 うえ には 何 なん がありますか。いくつですか。 長男 ちょうなん が 棒 ぼう を 折れ おれ ないのは、なぜですか。 父 ちち の 最後 さいご の 言葉 ことば は 何 なん ですか。 三 みっ つ 挙げ あげ てください。 練習 れんしゅう 2 — 音読 おんどく 原文 げんぶん の 文書 ぶんしょ を 声 こえ に 出し だし て 読ん よん でください。 父 ちち の 命令 めいれい Venez ici. Regardez. ・ Cassez. は 低く ひくく はっきり。 Il ne peut pas. は 四 よん 回 かい とも 同じ おなじ 調子 ちょうし で。 最後 さいご の 段落 だんらく はゆっくり、 ensemble を 二 に 度 ど とも 強く つよく 。 読み よみ 終え おえ たら、 原文 げんぶん の 読み上げ よみあげ と 比べ くらべ てください。 この 篇 へん