3.10 形容詞の一致と、置く場所 — Epoché
この 課 か でできるようになること 形容 けいよう 詞 し を、 名詞 めいし の 性 せい と 数 かず と 格 かく に 合わせ あわせ て 置ける おける 。 形容 けいよう 詞 し を 名詞 めいし の 前 まえ に 置く おく 場合 ばあい と 後ろ うしろ に 置く おく 場合 ばあい を 使い分け つかいわけ られる。 日本 にっぽん 語 ご の「が」と「は」にあたる 違い ちがい が、ギリシア 語 ご では 語順 ごじゅん で 出る でる ことを 知る しる 。 前提 ぜんてい : 3.9( 前置 ぜんち 詞 し と、 冠詞 かんし と 溶ける とける 形 かたち )。 2.3 で 形容 けいよう 詞 し の 三 みっ つの 語尾 ごび を 学び まなび ました。あそこでは 形 かたち だけを 扱い あつかい ました。この 課 か では、それを 実際 じっさい の 文 ぶん の 中 なか で 動かし うごかし ます 。 形容 けいよう 詞 し の 一致 いっち は、 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ がいちばん 忘れる わすれる ところです。 日本 にっぽん 語 ご の 形容 けいよう 詞 し は 何に なんに も 合わせ あわせ ないからです。 大きい おおきい 家 いえ 、 大きい おおきい 人 ひと 、 大きい おおきい 島 しま —— 形 かたち は 一 ひと つです。ギリシア 語 ご では 三 みっ つとも 語尾 ごび が 違い ちがい ます 。 型 かた の 骨格 こっかく — 三 みっ つそろえる 合わせる あわせる ものは 三 みっ つあります。 性 せい 、 数 すう 、 格 かく 。 表 ひょう は 三 さん 行 ぎょう です。 合わせる あわせる もの どうなるか 例 れい で 見る みる と 性 せい を 合わせる あわせる 男性 だんせい ・ 女性 じょせい ・ 中性 ちゅうせい で 語尾 ごび が 変わる かわる 良い よい は 男性 だんせい で καλός 、 女性 じょせい で καλή 、 中性 ちゅうせい で καλό 数 すう を 合わせる あわせる 一 ひと つとたくさんで 語尾 ごび が 変わる かわる 良い よい 人 ひと たち は καλοί άνθρωποι 格 かく を 合わせる あわせる が・の・を で 語尾 ごび が 変わる かわる 良い よい 人 ひと を は καλό άνθρωπο 覚え おぼえ 方 かた の 近道 ちかみち が 一 ひと つあります。 形容 けいよう 詞 し の 語尾 ごび は、その 名詞 めいし の 冠詞 かんし と 同じ おなじ 音 おと で 終わる おわる ことがほとんどです。 冠詞 かんし がオスで 終われ おわれ ば 形容 けいよう 詞 し もオス、 冠詞 かんし がイで 終われ おわれ ば 形容 けいよう 詞 し もイ。 冠詞 かんし を 耳 みみ で 追え おえ ば、 形容 けいよう 詞 し の 形 かたち は 付い つい てきます。 だから、 形容 けいよう 詞 し を 覚える おぼえる より 冠詞 かんし を 体 からだ に 入れる いれる ほうが 先 さき です。2.1 の 表 ひょう がここで 効き きき ます。 置く おく 場所 ばしょ の 表 ひょう — 前 まえ と 後ろ うしろ で 意味 いみ が 変わる かわる 形容 けいよう 詞 し は 名詞 めいし の 前 まえ にも 後ろ うしろ にも 置け おけ ます。ただし 意味 いみ が 変わり かわり ます 。 表 ひょう は 三 さん 行 ぎょう です。 並べ ならべ 方 かた 意味 いみ 日本 にっぽん 語 ご なら 冠詞 かんし 、 形容 けいよう 詞 し 、 名詞 めいし の 順 じゅん その 名詞 めいし を 説明 せつめい する 大きい おおきい 家 いえ 、と 一 ひと つのまとまりで 言う ゆう 名詞 めいし のあとに 形容 けいよう 詞 し だけ その 名詞 めいし について 述べる のべる 家 いえ は 大きい おおきい 、と 文 ぶん にして 言う ゆう 冠詞 かんし 、 名詞 めいし 、 冠詞 かんし 、 形容 けいよう 詞 し の 順 じゅん 説明 せつめい を 後ろ うしろ から 足す たす 家 いえ 、それも 大きい おおきい ほう、と 絞る しぼる 一 ひと つ 目 め と 二 ふた つ 目 め の 違い ちがい が、この 課 か のもう 一 ひと つの 芯 しん です。 冠詞 かんし が 形容 けいよう 詞 し の 前 まえ にあるかどうか で、まとまりか 文 ぶん かが 決まり きまり ます。 大きい おおきい 家 いえ 、と 言い いい たければ 冠詞 かんし を 形容 けいよう 詞 し の 前 まえ に 置く おく 。 家 いえ は 大きい おおきい 、と 言い いい たければ 形容 けいよう 詞 し を 裸 はだか のまま 名詞 めいし の 後ろ うしろ に 置く おく 。 語 ご の 並び ならび は 同じ おなじ でも、 冠詞 かんし の 位置 いち で 読み よみ が 変わり かわり ます。 日本 にっぽん 語 ご ならどう 言う ゆう か 日本 にっぽん 語 ご では、この 違い ちがい を 助詞 じょし と 語尾 ごび で 出し だし ます。「 大きい おおきい 家 いえ 」と「 家 いえ は 大きい おおきい 」。 前者 ぜんしゃ は 形容 けいよう 詞 し が 名詞 めいし に 直 ちょく に 付き つき 、 後者 こうしゃ は「は」が 入っ はいっ て 文 ぶん になります。 ギリシア 語 ご には 助詞 じょし がありません。 代わり かわり に 冠詞 かんし を 置く おく か 置か おか ないか で 同じ おなじ 区別 くべつ をします。 仕事 しごと をする 部品 ぶひん が 違う ちがう だけで、 区別 くべつ そのものは 日本 にっぽん 語 ご と 同じ おなじ です。 三 みっ つ 目 め の 並べ ならべ 方 かた は、 日本 にっぽん 語 ご に 直 ちょく に 対応 たいおう するものがありません。 冠詞 かんし を 二 に 回 かい 置い おい て、 後ろ うしろ から 説明 せつめい を 足す たす 形 かたち です。 日本 にっぽん 語 ご なら「 家 いえ 、それも 大きい おおきい ほうの」と 言い足す いいたす 感じ かんじ で、 すでに 話 はなし に 出 で ている 名詞 めいし を 絞り込む しぼりこむ ときに 使い つかい ます。 書き言葉 かきことば でよく 出る でる ので、 読む よむ ときに 分かれ わかれ ば 足り たり ます。 実 じつ 文 ぶん で 確かめる たしかめる 十 じゅう 文 ぶん あります。 訳 わけ は 本 ほん 課程 かてい で 起こし おこし た 日本 にっぽん 語 ご です。 前半 ぜんはん がまとまり、 後半 こうはん が 文 ぶん です。 文 ぶん 訳 わけ 見る みる ところ Είναι καλός άνθρωπος. [1] あの 人 ひと は 良い よい 人 ひと です。 男性名詞 だんせいめいし に 合わせ あわせ て 形容 けいよう 詞 し もオスで 終わる おわる Έχει καλή καρδιά. [2] あの 人 ひと は 心 こころ のやさしい 人 ひと です。 女性名詞 じょせいめいし なので 形容 けいよう 詞 し はイで 終わる おわる Έχει ωραία πόδια. [3] あの 人 ひと は 脚 あし がきれいです。 中性 ちゅうせい のたくさんなので 形容 けいよう 詞 し はアで 終わる おわる Έχει ένα μικρό σπίτι. [4] あの 人 ひと は 小さい ちいさい 家 いえ を 持っ もっ ています。 を にあたる 形 かたち 。 冠詞 かんし と 形容 けいよう 詞 し と 名詞 めいし がそろって 動く うごく Αγόρασες ένα καινούργιο σπίτι. [5] あなたは 新しい あたらしい 家 いえ を 買い かい ました。 これも を にあたる 形 かたち 。 一 ひと つ を 表す あらわす 語 ご も 一緒 いっしょ に 動く うごく Το σπίτι είναι μικρό. [6] その 家 いえ は 小さい ちいさい です。 形容 けいよう 詞 し が 名詞 めいし の 後ろ うしろ で 裸 はだか 。だから 文 ぶん になる Το ψάρι είναι μικρό. [7] その 魚 さかな は 小さい ちいさい です。 同じ おなじ 組み立て くみたて 。 中性名詞 ちゅうせいめいし に 合わせ あわせ ている Είναι όμορφη. [8] あの 人 ひと はきれいです。 女性 じょせい について 言う いう ので 形容 けいよう 詞 し も 女性 じょせい の 形 かたち Είναι έξυπνος. [9] あの 人 ひと は 頭 あたま がいいです。 男性 だんせい について 言う いう ので 形容 けいよう 詞 し も 男性 だんせい の 形 かたち Είναι εύκολο. [10] それは 簡単 かんたん です。 物 もの について 言う いう ので 中性 ちゅうせい 。 主語 しゅご を 置い おい ていない 八 よう つ 目 め と 九 ここの つ 目 め を 続け つづけ て 聞い きい てください。 同じ おなじ 動詞 どうし 、 同じ おなじ 組み立て くみたて で、 形容 けいよう 詞 し の 語尾 ごび だけが 違い ちがい ます。 男 おとこ の 人 ひと について 言う ゆう か 女 おんな の 人 ひと について 言う ゆう かで、 語尾 ごび が 動く うごく 。 日本 にっぽん 語 ご には 無い ない 手間 てま ですが、 逆 ぎゃく に 言え いえ ば 語尾 ごび を 聞け きけ ば 誰 だれ のことか 分かる わかる という 利点 りてん でもあります。 よくある 誤り あやまり 誤り あやまり その 一 いち 、 辞書 じしょ の 形 かたち のまま 使う つかう 。 辞書 じしょ は 男性 だんせい の 形 かたち を 見出し みだし にします。 女 おんな の 人 ひと について 言う いう のに 男性 だんせい の 形 かたち を 使う つかう と、そこで 引っかかり ひっかかり ます。4.1 で「 自分 じぶん の 性 せい に 合わせる あわせる 語 ご 」を 扱っ あつかっ たのは、この 誤り あやまり を 先回り さきまわり するためでした。 誤り あやまり その 二 に 、 格 かく を 忘れる わすれる 。 が にあたる 形 かたち は 覚え おぼえ ても、を にあたる 形 かたち で 語尾 ごび を 変え かえ 忘れ わすれ ます。 冠詞 かんし が 変わっ かわっ たら 形容 けいよう 詞 し も 変える かえる ——この 対応 たいおう で 覚え おぼえ てください。 誤り あやまり その 三 さん 、 冠詞 かんし の 位置 いち を 間違える まちがえる 。 大きい おおきい 家 いえ と 言う いう つもりで 家 いえ は 大きい おおきい と 言っ いっ てしまう 誤り あやまり です。 名詞 めいし のあとに 裸 はだか の 形容 けいよう 詞 し を 置く おく と 文 ぶん になります。 まとまりで 言い いい たいなら、 冠詞 かんし を 形容 けいよう 詞 し の 前 まえ に 。 広げる ひろげる — 一致 いっち は 文 ぶん の 糊 のり になる 一致 いっち には、 覚える おぼえる 手間 てま の 見返り みかえり があります。 どの 形容 けいよう 詞 し がどの 名詞 めいし に 掛かる かかる かが、 語尾 ごび で 分かる わかる ことです。 日本 にっぽん 語 ご は 語順 ごじゅん で 決め きめ ます。 形容 けいよう 詞 し は 必ず かならず 名詞 めいし の 直前 ちょくぜん に 来る くる 。ギリシア 語 ご は 語尾 ごび で 決める きめる ので、 離れ はなれ ていても 結び付き むすびつき が 見え みえ ます 。 詩 し や 古い ふるい 文章 ぶんしょう で 語順 ごじゅん が 入れ替わっ いれかわっ ても 読める よめる のは、この 仕掛け しかけ があるからです。 読 どく 編 へん の 読み物 よみもの で 長い ながい 文 ぶん に 出会っ であっ たら、まず 語尾 ごび の 音 おと が 同じ おなじ ものを 探し さがし て ください。それが 一 ひと つのまとまりです。 一致 いっち は 覚える おぼえる 負担 ふたん であると 同時 どうじ に、 読む よむ ときの 道しるべ みちしるべ でもあります。 練習 れんしゅう 練習 れんしゅう 1 — 語尾 ごび を 合わせる あわせる 良い よい という 形容 けいよう 詞 し を、 次 つぎ の 名詞 めいし に 合わせる あわせる とどうなりますか。 答え こたえ はこの 課 か の 最後 さいご にあります。 人 ひと ( 男性 だんせい の 一 ひと つ) 心 こころ ( 女性 じょせい の 一 ひと つ) 子ども こども ( 中性 ちゅうせい の 一 ひと つ) 人 ひと たち( 男性 だんせい のたくさん) 練習 れんしゅう 2 — まとまりか 文 ぶん か 次 つぎ の 並び ならび は、まとまりと 文 ぶん のどちらですか。 冠詞 かんし 、 大きい おおきい 、 家 いえ 冠詞 かんし 、 家 いえ 、 大きい おおきい 冠詞 かんし 、 小さい ちいさい 、 魚 さかな 冠詞 かんし 、 魚 さかな 、 小さい ちいさい 練習 れんしゅう 3 — 音読 おんどく 実 じつ 文 ぶん の 十 じゅう 文 ぶん を、 音声 おんせい のあとについて 声 こえ に 出し だし てください。 形容 けいよう 詞 し の 語尾 ごび を 落とさ おとさ な