10.2 共和国とライシテ — Epoché
この 課 か でできるようになること フランスが 共和 きょうわ 国 こく であること、 標語 ひょうご Liberté, Égalité, Fraternité 、 国旗 こっき ・ 国歌 こっか ・ 七 なな 月 がつ 十 じゅう 四 よん 日 か の 意味 いみ を、 日本語 にほんご で 説明 せつめい できる。 大統領 だいとうりょう ・ 首相 しゅしょう ・ 国民 こくみん 議会 ぎかい と、 五 ご 年 ねん ごとの 大統領 だいとうりょう 選挙 せんきょ という 仕組み しくみ の 骨 ほね を 言える いえる 。 laïcité (ライシテ。 国家 こっか の 非 ひ 宗教 しゅうきょう 性 せい )の 原則 げんそく が、 学校 がっこう ・ 役所 やくしょ ・ 日常 にちじょう の 会話 かいわ にどう 現れる あらわれる かを 知り しり 、 日本 にほん の「 政教 せいきょう 分離 ぶんり 」との 差 さ を 言える いえる 。 前提 ぜんてい : 10.1(フランスの 地図 ちず と 地域 ちいき ) 知 ち 編 へん 1 課 か で 地図 ちず を 見 み ました。この 課 か は 制度 せいど です。 会話 かいわ の 編 へん で 見 み た 場面 ばめん —— 役所 やくしょ の mairie 、 学校 がっこう 、 七 なな 月 がつ 十 じゅう 四 よん 日 か の 花火 はなび 、そして「 宗教 しゅうきょう の 話 はなし は 職場 しょくば でしない」という 作法 さほう ——の 背景 はいけい にある 二 ふた つの 語 ご 、 République ( 共和 きょうわ 国 こく )と laïcité (ライシテ)を、 日本語 にほんご で 読み よみ ます。 日本語 にほんご に 訳し やくし にくい 語 ご ほど、 背景 はいけい を 知っ しっ てから 語 ご を 覚える おぼえる ほうが 早い はやい 。 共和 きょうわ 国 こく — 王 おう を 持た もた ない 国 くに フランスの 正式 せいしき な 国名 こくめい は la République française (フランス 共和 きょうわ 国 こく )です。 共和 きょうわ 国 こく とは、 王 おう を 持た もた ず、 国民 こくみん が 選ん えらん だ 代表 だいひょう が 治める おさめる 国 くに のこと。 一 いち 七 なな 八 はち 九 きゅう 年 ねん の 革命 かくめい で 王政 おうせい が 倒れ たおれ 、 一 いち 七 なな 九 きゅう 二 に 年 ねん に 最初 さいしょ の 共和 きょうわ 国 こく が 宣言 せんげん されました。その 後 ご 、 帝政 ていせい と 王政 おうせい と 共和 きょうわ 政 せい が 入れ替わり いれかわり 、 現在 げんざい は 一 いち 九 きゅう 五 ご 八 はち 年 ねん に 始まっ はじまっ た 第 だい 五 ご 共和 きょうわ 政 せい です。「 第 だい 五 ご 」と 数える かぞえる のは、 途中 とちゅう で 中断 ちゅうだん があったからで、 日本 にほん の「 明治 めいじ ・ 大正 たいしょう ・ 昭和 しょうわ 」のように 時代 じだい を 区切る くぎる 言い いい 方 かた ではなく、 憲法 けんぽう の 作り直し つくりなおし の 回数 かいすう です。 共和 きょうわ 国 こく の 標語 ひょうご は Liberté, Égalité, Fraternité ( 自由 じゆう ・ 平等 びょうどう ・ 友愛 ゆうあい )。 役所 やくしょ ・ 学校 がっこう ・ 硬貨 こうか ・ 切手 きって に 刻ま きざま れています。 三 みっ つとも 橋 はし 編 へん 2 課 か と 橋 はし 編 へん 4 課 か で 見 み た 語尾 ごび の 名詞 めいし で、 -té は 女性 じょせい ( liberté ・ égalité ・ fraternité )。 国旗 こっき は 青 あお ・ 白 しろ ・ 赤 あか の 三 さん 色 しょく 旗 き le drapeau tricolore 、 国歌 こっか は La Marseillaise (ラ・マルセイエーズ。 革命 かくめい の 歌 うた で、 歌詞 かし は 勇ましい いさましい )、 国 くに の 祝日 しゅくじつ は 七 なな 月 がつ 十 じゅう 四 よん 日 にち le 14 juillet ( 一 いち 七 なな 八 はち 九 きゅう 年 ねん のバスティーユ 牢獄 ろうごく 襲撃 しゅうげき の 日 ひ 。 花火 はなび と 軍事 ぐんじ パレード)。 共和 きょうわ 国 こく を 表す あらわす 女性 じょせい 像 ぞう Marianne (マリアンヌ)が、 役所 やくしょ の 胸像 きょうぞう や 切手 きって に 描か えがか れます。 フランス 語 ご 日本語 にほんご 訳 やく 見どころ みどころ Le peuple aime la liberté. [1] 人々 ひとびと は 自由 じゆう を 愛する あいする 。 la liberté —— 標語 ひょうご の 一 いち 語 ご 目 め 。 le peuple 「 人民 じんみん 」 L'égalité est garantie par la Constitution. [2] 平等 びょうどう は 憲法 けんぽう で 保障 ほしょう されている。 l'égalité —— 二 に 語 ご 目 め 。 la Constitution 「 憲法 けんぽう 」 L'État c'est moi ! [3] 朕 ちん は 国家 こっか なり。 ルイ 十 じゅう 四 よん 世 せい に 帰さ かえさ れる 言葉 ことば 。 l'État 「 国家 こっか 」。 共和 きょうわ 国 こく はこの 逆 ぎゃく C'est la loi. [4] 法律 ほうりつ ですから。 la loi —— 共和 きょうわ 国 こく では 王 おう でなく 法 ほう が 治める おさめる 大統領 だいとうりょう ・ 首相 しゅしょう ・ 議会 ぎかい — 五 ご 年 ねん ごとの 選挙 せんきょ 第 だい 五 ご 共和 きょうわ 政 せい の 頂点 ちょうてん は le président de la République ( 共和 きょうわ 国 こく 大統領 だいとうりょう )です。 国民 こくみん の 直接 ちょくせつ 選挙 せんきょ で 選ば えらば れ、 任期 にんき は 五 ご 年 ねん ( 二 に 〇〇〇 年 ねん の 改正 かいせい で 七 なな 年 ねん から 五 ご 年 ねん に)、 連続 れんぞく 二 に 期 き まで。 大統領 だいとうりょう は 首相 しゅしょう le Premier ministre を 任命 にんめい し、 首相 しゅしょう が 内閣 ないかく を 率い ひきい ます。 議会 ぎかい は 二 に 院 いん で、 l'Assemblée nationale ( 国民 こくみん 議会 ぎかい 。 下院 かいん 。 直接 ちょくせつ 選挙 せんきょ )と le Sénat ( 元老 げんろう 院 いん 。 上院 じょういん 。 間接 かんせつ 選挙 せんきょ )。 大統領 だいとうりょう の 権限 けんげん が 強い つよい のが 特徴 とくちょう で、 日本 にほん の 議院 ぎいん 内閣 ないかく 制 せい とも、アメリカの 大統領 だいとうりょう 制 せい とも 違う ちがう 、 両者 りょうしゃ の 中間 ちゅうかん の 形 かたち です。 選挙 せんきょ は 二 に 回 かい 投票 とうひょう 制 せい です。 第 だい 一 いち 回 かい で 過 か 半数 はんすう を 取る とる 候補 こうほ がいなければ、 上位 じょうい 二人 ふたり で 第 だい 二 に 回 かい を 行う おこなう 。 大統領 だいとうりょう 選挙 せんきょ は 五 ご 年 ねん ごとの 四 よん 月 がつ と 五 ご 月 がつ に 行わ おこなわ れ、 国 くに 全体 ぜんたい がその 話題 わだい になります。 Pour qui as-tu voté ? ( 誰 だれ に 投票 とうひょう した?)は、フランスでは 親しい したしい 間 あいだ で 普通 ふつう に 交わさ かわさ れる 問い とい です。 日本 にほん では 避け さけ がちな 政治 せいじ の 話 はなし が、フランスでは 会話 かいわ の 主題 しゅだい になる——ただし、 宗教 しゅうきょう の 話 はなし とは 扱い あつかい が 違い ちがい ます。それが 次 つぎ の 節 ふし です。 フランス 語 ご 日本語 にほんご 訳 やく 見どころ みどころ Il a été élu président. [5] 彼 かれ は 大統領 だいとうりょう に 選ば えらば れた。 élu président —— 職 しょく は 冠詞 かんし なし( 型 かた 編 へん 2 課 か ) Pour qui as-tu voté à l'élection ? [6] あなたは 選挙 せんきょ で 誰 だれ に 投票 とうひょう しましたか。 l'élection 。 政治 せいじ は 会話 かいわ の 主題 しゅだい になる Le bon citoyen obéit à la loi. [7] 善良 ぜんりょう な 市民 しみん は 法律 ほうりつ に 従う したがう 。 le citoyen —— 市民 しみん 。 共和 きょうわ 国 こく の 構成 こうせい 員 いん Je suis un citoyen du monde. [8] 私 わたくし は 世界 せかい 市民 しみん である。 citoyen du monde 。 citoyen は「 国民 こくみん 」より 広い ひろい ライシテ — 国家 こっか は 宗教 しゅうきょう を 持た もた ない la laïcité (ライシテ)は、 日本語 にほんご では「 非 ひ 宗教 しゅうきょう 性 せい 」「 世俗 せぞく 性 せい 」「 政教 せいきょう 分離 ぶんり 」と 訳さ やくさ れますが、どれもぴったりではありません。 核 かく にあるのは 国家 こっか は 宗教 しゅうきょう を 持た もた ず、 宗教 しゅうきょう は 国家 こっか に 口 くち を 出さ ださ ない という 原則 げんそく で、 一 いち 九 きゅう 〇 五 ご 年 ねん の「 教会 きょうかい と 国家 こっか の 分離 ぶんり 法 ほう 」で 定まり さだまり ました。 国 くに は 宗教 しゅうきょう を 認め みとめ も 援助 えんじょ もせず( l'État ne reconnaît ni ne salarie aucun culte )、 同時 どうじ に、 各人 かくじん が 信じる しんじる 自由 じゆう と 信じ しんじ ない 自由 じゆう を 保障 ほしょう する。 共和 きょうわ 国 こく の 標語 ひょうご の「 自由 じゆう 」と「 平等 びょうどう 」を、 宗教 しゅうきょう の 場面 ばめん に 当て あて たものです。 これが 日常 にちじょう で 見える みえる 場所 ばしょ が 二 ふた つあります。 第 だい 一 いち に 学校 がっこう 。 公立 こうりつ 学校 がっこう は gratuite, laïque et obligatoire ( 無償 むしょう ・ 非 ひ 宗教 しゅうきょう ・ 義務 ぎむ )で、 一 いち 八 はち 八 はち 〇 年 ねん 代 だい のジュール・フェリーの 法律 ほうりつ 以来 いらい の 三 さん 原則 げんそく です。 宗教 しゅうきょう の 授業 じゅぎょう は 無く なく 、 二 に 〇〇 四 よん 年 ねん の 法律 ほうりつ で、 生徒 せいと は 目立つ めだつ 宗教 しゅうきょう の 印 しるし ( 大きな おおきな 十字 じゅうじ 架 か ・スカーフ・キッパなど)を 校内 こうない で 着け つけ ません。 第 だい 二 に に 役所 やくしょ と 公務 こうむ 員 いん 。 役場 やくば の 職員 しょくいん は 宗教 しゅうきょう の 印 しるし を 着け つけ ず、 役所 やくしょ には 宗教 しゅうきょう の 象徴 しょうちょう を 置き おき ません。 結婚 けっこん は 必ず かならず la mairie ( 役場 やくば )で 行い おこない 、 教会 きょうかい での 式 しき はその 後 あと の 任意 にんい です——だから「 役所 やくしょ で 結婚 けっこん する」( se marier à la mairie )が 正式 せいしき な 結婚 けっこん 。 日本 にほん の「 政教 せいきょう 分離 ぶんり 」は 主に おもに 国 くに が 宗教 しゅうきょう に 関わら かかわら ないことを 言い いい 、 個人 こじん の 宗教 しゅうきょう の 印 しるし について 規則 きそく はありません。フランスのライシテは、 公 おおやけ の 場 ば ( 学校 がっこう ・ 役所 やくしょ )では 個人 こじん も 宗教 しゅうきょう を 表 ひょう に 出さ ださ ない、という 点 てん まで 及び および ます。この 差 さ から、フランスでは 職場 しょくば や 初 はつ 対面 たいめん で 宗教 しゅうきょう の 話 はなし をしないのが 作法 さほう で、「あなたの 宗教 しゅうきょう は?」と 尋ねる たずねる のは 不 ふ 作法 さほう にあたります。 一方 いっぽう 、 宗教 しゅうきょう の 建物 たてもの は 歴史 れきし 的 てき な 文化 ぶんか 財 ざい として 国 くに が 所有 しょゆう ・ 管理 かんり しており、8.1 の 会話 かいわ で Nous sommes allés à l'église. ( 教会 きょうかい に 行き いき ました)と 言う いう のは、