The Impossibility of Translation — Epoche C2
翻訳の不可能性 Speakers: 論者A · 論者B 論者A 「翻訳は裏切りだ」という言葉があるね。 論者B イタリア語の語呂合わせだね。訳者は裏切り者、と。 論者A どんなにうまく訳しても、原文の何かは失われる。 論者B そう。とりわけ詩や文学では、響きや含みがこぼれ落ちる。 論者A ただの言葉の置き換えではない、わけか。 論者B まさに。言語には、文化の歴史がまるごと織り込まれている。 論者A 一つの単語が背負う連想は、別の言語にはない。 論者B そう。だから、翻訳は創造的な再構築に近い。 論者A 完全な等価は、原理的に不可能ということか。 論者B そう。だが、その不可能性こそ、言語の豊かさの証でもある。 論者A 失われるものがあるから、原文に価値がある、と。 論者B まさに。橋を架けつつ、隔たりを知る。それが翻訳の誠実さなんだ。