消しゴムを貸してと頼む — Epoche A2
場面設定: プノンペン・トゥールトムポン地区の学校、授業中。観察眼鋭くズバッと言うソピアと、内気で片思い中のダラ。 ダラ、消しゴム貸して。 ……あ、今日は持ってない。 (机を覗く)……それ、筆箱の隅にある緑の消しゴムは何? ……これは、……大事なやつ。 ちょっと見せて。(手に取る)……「ソピア」って書いてある。私の名前だ。 ……。 これ、去年の遠足のバスで落として、ずっと探してたやつ。どうしてダラの筆箱にあるの? ……バスの座席の下にあって、拾った。 一年も返さなかった理由は? ……返すきっかけを考えてるうちに、一年経った。 解説: 名前入りの消しゴムが片思いの証拠として一年隠されていた本音の漏れ。「きっかけを考えるうちに一年」がほろ苦く愛らしい結び。