SNSの相手の投稿 — Epoche C1
場面設定: メキシコシティ、コンデサ地区のバー、夜。元彼のSNSを見せながら、女友達と愚痴る。 ……ガビ、これ見て。マルティンの新しい彼女、もうビーチでこんなの上げてる。別れてまだ四ヶ月だよ。 (画面を見て)……ふうん、確かにビーチね。で、ルシアは今日これを何回開いて見たの? ……(言いにくそうに)……五回、いや七回くらいかな。気付いたらまた開いてる。なんだろうね、これ。 七回ね。それ、ルシア、別れたことを後悔してるんじゃなくて、自分が「捨てられた側」じゃないって確認してるような気がする。 ……ガビ、痛いところを突くね。確かに、私から別れ話を切り出したのに、彼がこんなに早く立ち直ってるの、なんか悔しいって気持ちはある。 正直でよろしい。じゃあ、本当に復縁したいの?それとも、彼に自分のことを忘れずに、ちょっと苦しんでてほしいだけ? ……(間)……後者かもしれない。復縁したい気持ちはもうないって、自分でも分かってる。彼に苦しんでてほしいなんて、認めるのは嫌だけど。 認められたら、もう半分終わったようなもの。じゃあ明日、彼のアカウントをミュートして、自分の写真でも上げてみたら?海よりいい店に行ってさ。 (笑って)海よりいい店?ガビ、競争心を煽らないで。……でも、そうね。明日ミュートする。 (冷ややかに笑って)それでいいのよ。SNSの幸せなんて編集された幸せ。実物の半分もないって覚えておくこと。 解説: 復縁の願望ではなく「相手が苦しんでてほしい」という醜い感情を友人が引き出して、認めさせる。「編集された幸せ」という言葉遊びで締めることで、SNS時代の感情整理が論理的に進む。