服はオーダーメイドで — Epoche B1
場面設定: ミラノ・ブレラの自宅、週末。サルト通いのマルコと、現実派のジュリア。新調のスーツが届いた朝。 ジュリア、見てくれ、サルトに頼んだ新しいスーツ、肩のラインが完璧だ。やっぱり服はオーダーメイドにかぎる。 確かに肩、綺麗。でもそのスーツ、四ヶ月待って、いくらしたんだっけ?我が家の家計にしては、贅沢すぎる気もするんだけど。 ふむ、その話は……一着で十年着るんだから、長期的には既製品より安い、っていう論法があってだな。 その論法、毎回聞いてるけど、十年着るかどうかは未来の話よ。私は予算ありきで、既製品を上手に選ぶ派。それも一つのこだわり。 「上手に選ぶ」、それは認める。じゃあ、TPOで使い分けよう。仕事の重要な日はオーダーメイド、休日は既製品で軽快に、ってどう? 合意ね。あなたが頻度を抑えてくれるなら、私もオーダーメイドの価値、認める。サルトの職人技、確かに別格だものね。 ありがとう、合意できて嬉しい。それに、君のおしゃれセンスも、いつも素敵だ。先週のあのワンピース、特に好きだった。 あら、嬉しい。マルコ、おしゃれの話する時の目、キラキラしてるのよね。それが私の好きなところでもあるんだけど。 (笑)じゃあ、来月の記念日、君にもオーダーメイドのワンピース、贈らせてくれ。サルトの仕立て、味わってほしい。 (笑)でもね、先週褒めてくれたあのワンピース、近所のセレクトショップで買った既製品なの。あなた、見抜けなかったでしょ? 解説: こだわりと現実主義、TPOで合意。最終ターンで妻の「褒めてくれた服は既製品だった」という返しが、夫のこだわりを優しく揺さぶる。