アカウント乗っ取り疑惑 — Epoche B2
場面設定: フランクフルト中央駅のカフェ、午前。SNSで自分の名を騙る投稿があると友人から指摘された動揺するドイツ人ハンスが、冷静な日本人マサシに対処を相談。 ……マサシ、見て、これ。誰か、僕のアカウントから変な投稿してる。 ……いつ投稿された? ……昨日の夜中3時。寝てた時間。 ……まずパスワード変えて。二段階認証も設定。 ……うん、すぐやる。あと、警察にも? ……被害が出たらね。まず投稿の内容、確認しよう。 ……(読んで)……「人生はビールである、泡ばかりで中身がない」。 ……ハンス、昨夜、何してた? ……飲み会、夜中までビアガーデン……あ。 ……乗っ取られたのは、君のアカウントじゃなくて、君の理性。 解説: 「アカウント乗っ取り疑惑」――実は本人が酔って投稿していた、という勘違い。マサシの「乗っ取られたのは、君の理性」というドライな最終ターンが冴える。シュナイアー『データと巨大権力』(2015)が論じた、セキュリティ事件の多くは外部攻撃ではなくユーザー自身の行動によるもの――その軽妙な実例。