The Door Is Shut but Never Locked — On What Unconditional Love Really Is — Epoche C2
場面設定: ヴェラの台所、真夜中近く。湯沸かしが、冷めながら、まだ、かちかち、鳴っている。三十五のレナは、闇の中、十一マイルを、運転してきて、上着も、着たまま、食卓に、座り、手は、口を、つけていない、茶碗を、包んでいる。今夜、早くに、彼女の息子、十四のダニエルが、身を守れない男の子に、惨いことを、して、一瞬、あの子を、見ながら、彼女は、自分の愛が、冷えるのを、感じた——そして、それが、あの子の、したどんなことより、彼女を、おびえさせた。四人の子を、育て、その一人に、何年も、心を、引き裂かれた、七十二の母、ヴェラが、二つ目の茶碗を、置き、向かいに、座る。 母さん、誰かに、言わなければ、私、崩れてしまう。今夜、ダニエルが、惨いことを、したの——本当に、惨いことを、身を守れない、男の子に。そして、一瞬、あの子を、見ながら、私の、愛が、すっと、引いていったの。潮みたいに。それが、怖くて、たまらない。母親の愛は、無条件だ、と、ずっと、信じてきたから。私の愛が、揺らぐなら、それは、はじめから、愛じゃ、なかったのかも——私が、望んだ、優しいあの子への、執着、だっただけ。本当の愛に、条件は、ない、でしょう? 何をしても、愛するか、本当には、愛していないか、どちらか。取引を、愛しているだけか。じゃあ、私は、どっち——あの子を、愛する母親? それとも、ずっと、帳簿を、つけていて、残高が、傾くのを、今、見た女? 座って。まず、これを、お飲み。さあ、お聞き。その『無条件か、無か』が、何百年も、善い女たちを、苦しめてきた、嘘だから。文字どおり、何の条件もない愛——あの子の、何をしても、びくともせず、あの子の、何にも、応えない愛——それは、愛じゃ、ない、凝り固まった、思い込みで、ダニエルと、ダニエルの写真とを、見分けられない。今夜、お前の、内で、後ずさったのは、愛の、失敗じゃ、ない。お前の、愛が、真実を、告げたんだ——あの子が、本物の何かを、傷つけた、と。あの男の子の、内にも、お前の、内にも。あの子が、惨いことを、しても、何も、感じない愛——そっちこそ、化け物だ。お前は、あの子を、愛している、まさにその証拠に、怯えているんだよ。 でも、私の愛が、あの子の、することに、応えるなら、それには、条件が、ある、ということで、それこそが、怖いの。つまり、線が、ある——十分に惨く、十分な回数なら——愛が、消えうる、線が。今日は、一瞬の、揺らぎ。でも、十回目は? いちばん、ひどい時は? 愛が、使い果たせるものなら、それは、私が、配給している、量で、私は、母親の、ふりをした、債権者に、すぎない。あの子を、良い投資のように、愛したくない、感情が、あの子の、ふるまいを、追いかけるような。私は、言葉が、本来、意味するはずの、愛が、ほしい——もう、値する何も、残っていなくても、留まる、あの愛が。そんな愛は、あるの? それとも、私たちは、みんな、子どもに、嘘を、ついてきただけ? あるよ。でも、お前が、探している場所には、住んでいない。お前は、愛を、一つの感情として、扱っている——あるか、使い果たされたか。そうじゃ、ない。二つの層が、あって、お前は、それを、もつれさせている。一つ目は、お前の、約束——荷物を、まとめない、帳簿を、つけない、あの子に、自分を、稼がせない、という、揺るがぬ拒絶。その部分は、無条件で、今夜の、ふるまいを、追わないし、お前が、後ずさった時も、動かなかった。哲学者の、フランクフルトが、はっきり、言った——私たちは、人を、値するから、愛するんじゃ、ない、愛することが、その人を、かけがえなく、するんだ、と。価値は、愛に、従う、逆じゃ、ない。お前は、試験に、受かったから、ダニエルを、愛しはじめたんじゃ、ない、だから、落第しても、失われない。 わかった——約束は、動かない。じゃあ、動いたものは、何? だって、何かが、動いた、私は、それが、部屋を、去るのを、感じた。大事な愛が、約束で、約束が、保たれたなら、なぜ、私は、自分の台所に、立って、息子を、愛さなくなった女のように、感じたの? それは、下で、じっと、留まる層、のようには、感じなかった。床が、抜けるように、感じたの。何が、後ずさったのか、教えて、母さん。名づけられないなら、母さんの、二つの層は、ただの、慰めで、私は、今夜、家に、帰っても、なお、信じてしまう——自分の子を、見て、何も、感じなかった、と。そして、その『何も』が、本当の私だ、と。 動いたのは、二つ目の層だ——感情、温もり、そばに、いたい、という、気持ち。そっちは、動いて、いいんだよ——一瞬ごとに、あの子に、応えるもので、今夜は、惨さに、冷たさで、応えた。それは、お前の、愛が、失敗したんじゃ、ない、愛が、働いているんだ、痛みが、体の、働きであるように。ルイスは、線を、引いた——相手の、善を、願う、贈与の愛と、慰めを、求める、欲求の愛との、間に。今夜、お前の、欲求の愛が、後ずさった——あの子は、抱きしめる温かいものを、何も、くれなかったから。でも、お前の、贈与の愛は、去らなかった、それが、お前が、震えている、理由だ。本当に、愛さなくなっていたら、恐怖じゃ、なく、安堵を、感じたはず。その恐怖こそ、愛だ。持っていないものの、喪失を、人は、嘆かない。 じゃあ、もう一つの、怖さも、解いて、反対側に、切れ込むから。惨さを、通しても、あの子を、愛しつづけるなら、それは、化け物に、なる息子を、愛しつづける母親たちと——許して、許して、その許しが、罪の、一部に、なるまで——どう、違うの? 『無条件の愛』は、まさに、殴られる妻を、家に、留めるために、娘に、決して許されるべきでないものを、許させるために、使われる言葉。私の愛に、止める装置が、ないなら、心臓の、ある、踏みつけられ台に、ならない、保証は? あの子を、愛することと、あの子に、何でも、させることの、間には、違いが、あるはず。でも、愛が、退くことを、禁じるなら、その違いが、どこに、ありうるのか、見えないの。 そこだ——本当の問いだ。その違いは、二つ目の層に、住んでいて、だからこそ、愛は、その、現れにおいては、条件つきで、ありながら、その、約束においては、無条件で、なければ、ならない。あの子を、愛することは、絶え間ない抱擁を、意味しない。時に、愛は、閉じた手、厳しい言葉、戸口に、入れてやらない一年だ。なだめてばかりの愛は、愛じゃ、ない、愛の、上着を、着た、機嫌取りだ。あの子の、善への、約束を、保ったまま、同じ息で、慰めを、拒める——いや、その拒絶こそ、約束が、とりうる、いちばん深い形かも、しれない。マードックは、愛を、相手を、現実の人として、見る、難しい仕事、と呼んだ。あの子の、したことから、目を、そらして、愛するんじゃ、ない。それを、すべて、見て、なお、去らない——それが、愛することだ。 じゃあ、私は、あの子の、したことを、憎みながら、愛するのを、やめなくて、いいのね、愛は、そもそも、あの子の、善さに、向けられて、いなかったから。それは、あの子に、向いている。あの、特定の、かけがえのない、あの子に、美徳の、一覧にじゃ、なく。だから、あの子の、良いところを、すべて持ち、欠点を、一つも持たない、他人では、だめなの——私は、仕様書を、愛しているんじゃ、ない、この、まさにこの子を、愛している。人を、愛していて、履歴書を、愛していないなら、履歴書の、一行の、汚点が、それを、取り消せはしない。惨さは、本物で、あの子のもので、私は、なかったことには、しない——でも、それは、あの子が、したことで、私にとっての、あの子の、すべてじゃ、ない。それが、その動き——その人を、愛し、その行いを、裁く? それが、その動きだ、ただ一つの、見張りを、つけて——人を、愛し、行いを、愛さないことが、行いを、見ることの、拒絶に、こごってはならない。『うちの子に、限って』と、言う、盲目の母は、観念を、愛し、子を、見捨てている。お前は、まさに、目を、開けたまま、でいることで、あの子を、愛する。そして、ここに、お前を、ここまで、運転させた、最初の、怖さへの、答えが、ある。お前は、それが、望んだ子への『執着だけ』かも、と、おびえた。でも、執着は、自分の、慰めのために、しがみつく、愛は、自分の、慰めに、逆らってでも、相手の、善を、願う。今夜、お前は、慰めを、何も、感じず、それでも、ここに、いて、あの子に、より良く、なってほしい、と、願っている。執着なら、波風を、立てぬよう、目を、そらしたはず。お前を、眠らせなかったのは、愛が、より難しいことを、していたから、だ。 じゃあ、愛は、私が、脈のように、絶えず、確かめて、かすかだと、慌てる、あの温かい感情じゃ、ない。それは、私が、することで、感情が、去った夜にも、する、こと。それは、ほとんど、もっと、怖い——心臓に、外注して、動かされるのを、待つことが、できない、ということだから。私は、朝ごとに、あの子を、選び直さなければ、ならない、惨さも、ひっくるめて、そして、難しいほうを、選ぶ——真実、結果、閉じているが、決して、施錠されていない、戸を。キェルケゴールは、愛は、命じられる、と、言った——『汝、愛すべし』と——昔は、冷たく、聞こえた、感情の、あるべき場所への、命令、のようで。今は、わかる、気がする。それが、命じられるのは、感情が、見捨てる日々を、生き延びねば、ならないからだ。誓いは、まさに、そういう日々の、ためにある。 今、わかったね。そして、もう一つ、握っておおき、お前が、抱えて、来た怖さを、溶かすから。お前は、自分の愛の、反対が、感じた冷たさだ、と、思った——怒りと、後ずさりが、愛の、敵で、愛が、死んだ証拠だ、と。違う。それらは、愛の、反対じゃ、ない。愛の、反対は、無関心だ——肩をすくめ、空いた椅子、あの子が、惨かろうが、優しかろうが、もう、何も、揺さぶられないから、どうでも、いいこと。お前は、あの子に、ただの一度も、無関心では、なかった。今夜、激怒したのは、愛しているから、慄いたのは、愛しているから、真夜中に、十一マイルを、走ったのは、愛しているから。息子を、愛さなくなった女は、ぐっすり、眠る。お前は、眠れなかった、それが、お前の、答えだ。 だから、明日、私は、家に、帰って、温もりが、戻っていないのに、戻ったふりを、せず、たどり着いていない許しを、演じない。あの子に、真実を、告げる——したことは、惨かった、と、結果が、ある、と、私は、怒っていて、あの子は、傷つけた子に、向き合わねば、ならない、と。そして、厳しい言葉の、底に、あの子には、まだ、見えない、もの——その、どれもが、私が、去ることでは、ない、ということ。戸は、今夜、閉まっている、決して、施錠されたことは、ない。たぶん、それが、私の、聞く必要が、あったこと——あの子に、責任を、負わせることと、愛することが、私を、引き裂く、反対物じゃ、ない、と。それは、同じ、一つの行いだ。結果こそが、愛で、十四歳が、何年も先に、やっと、訳すであろう、言葉で、綴られている。 同じ、一つの行いだ——お前は、その、中心を、見つけた。そして、四人の子に、教わるのに、かかった、ものを、授けよう。今夜、お前が、あの子を、抱く、その愛——留まりつつ、なお、真実を、告げる、あの愛こそ、子が、家から、持ち出す、唯一の愛だ。甘やかしじゃ、ない、その、揺るがなさだ。お前の兄さんは、これより、ひどい目に、私を、遭わせた、何年も。私は、難しいやり方で、愛した——閉じた戸、開いた心——そして、自分は、しくじっている、と、確信して、眠れなかった。あの子は、四十で、私に、言った——私が、決して、施錠しなかった戸が、自分が、そこを、抜けて、戻る道を、見つけた、唯一の、理由だった、と。お前は、明日、収穫を、見はしない。それでも、蒔きなさい。それが、すべてだ。 私は、自分の内に、何か、腐ったものを、見つけた、と、信じて、ここに、来た、母さんは、それを、正しい向きに、ひっくり返してくれた。あの揺らぎは、私の愛についての、真実じゃ、なかった——本物の傷に、私の愛が、ひるんだ、だけ。約束は、動かなかった、温もりだけが、動いた、温もりは、動いて、いい——そうやって、正直で、いられる。母親で、あるために、あらゆる瞬間に、慈しみを、感じる必要は、ない、あの子の、善を、選びつづければ、いい、何も、感じない時こそ。そして、失った、と、あれほど、おびえた証拠は、その、怖さ自体の、中に、ずっと、座っていた。家に、帰って、朝に、あの、難しい、愛のある、ことをする、戸を、閉じて、施錠せずに。ありがとう、母さん。 家に、帰って、お眠り、そして、自分を、何も、感じなかった女、などと、決して、呼ぶんじゃ、ない。お前は、すべてを、感じた——それが、問題で、あり、答えでも、あった。愛は、けっして、お前の内の、天気じゃ、なかった、一時間は、晴れ、次は、冷える、ような。愛は、どんな天気の中でも、お前が、立たせつづける、家だ、あの子が、帰ってこられる場所が、あるように。ある朝は、感じ、ある朝は、感じない、そして、空っぽの朝にも、お前は、それを、する、その、することこそ、ある限り、いちばん真実の愛だ——稼がれず、買えず、去らない、あの愛。お前は、すでに、自分が、そうでないと、おびえた、その母親だ。止められなかったことが、その、証だ。さあ、お行き、あの子は、眠っているだろう、その、強情な頭に、口づけて、おやり。 解説: この対話は、ある母親の、真夜中の怖さを、舞台に、愛の本性を、めぐる相克を、描く。レナは、正命題を、語る——本当の愛は、無条件で、あり、だから、感じた揺らぎは、何があっても、息子を、愛している証拠か、さもなくば、はじめから、愛して、おらず、望んだ子への、執着に、すぎなかった証拠だ、条件つきの愛は、取引だから、と。ヴェラは、反命題で、応じる——文字どおり、何の条件もない愛、その人の、何をしても、びくともしない愛は、愛では、なく、愛する者と、その写真とを、見分けられない、凝り固まった思い込みだ、彼女の後ずさりは、愛の失敗では、なく、本物の傷に、愛が、応えたので、あり、しかも『無条件の愛』は、殴られる者を、家に、留め、許されざるを、許させる言葉でも、ある、と。合は、レナが、もつれさせた、二つの層を、分かつ——愛は、その約束において、無条件で、帳簿を、つけず、相手に、自分を、稼がせない(フランクフ